GoogleAI(AlphaGo)が囲碁世界チャンプに勝ってしまったことの意味
2016/05/16
「人工知能は人間より賢いのか」みたいなテーマでこれまでもよく話題に上がってきたのが囲碁。
現在、ほとんどの頭脳競技で人間は人工知能の論理演算速度に太刀打ちできず負け越しています。
チェスの世界チャンプはずいぶん前からAIに負けてますし。将棋の方もソフトを演算するハードウェア(パソコン)の方に大きく制限をかけたり、事前に(3ヶ月くらい前からだったかな)対戦ソフトの貸し出しを行うことで電王戦みたいな勝負を実現してはいますが、ガチでやったら羽生さんでも厳しいでしょう。
しかし囲碁に関しては形勢の判断がとても難しく、人間が持つような感覚や大局観なしには評価しにくいことから「人間側がAIに勝てるのは囲碁だけだ。最後の砦は囲碁だ」と言われてきました。
実際これまでの囲碁AI、囲碁ソフトはプロ棋士に全く勝てませんでしたし。
ですがここにきてGoogleが囲碁AI、AlphaGo(アルファ碁)を作って、プロ棋士に挑戦してきました。
結果は連戦連勝。
とうとうGoogleのAlpha Goと世界ランキング2位韓国のイ・セドル氏のカードが実現することに。(イ・セドル氏は世界最強の呼び声も高い新進気鋭のプロ棋士。この人に勝ち越しているのは中国の柯潔(かけつ)氏くらいらしい)
で、今日……というかさっき対戦が終わったんですが結果は…………AIの勝利。
対戦のもようは以下のYoutubeの公式動画から見ることができます。(英語だけどね)
YoutubeMatch 1 – Google DeepMind Challenge Match: Lee Sedol vs AlphaGo
もちろんこれは5回勝負(5局勝負)のうちの1回(1局)なので、これから人間側代表であるイ・セドルさんがトータルで勝つ可能性もあるでしょう。
でもポイントは「人間が追いつかれた」ということかなぁ。
基本的にこういったゲームは論理だけで構成されている競技です。
これからAIはその論理演算の正確さと速度の向上によってどんどん強くなっていくでしょうが、人間の方は脳に大きな変化がない限りのびしろは少なめ。
だから近い将来もう人間はこういった感じの頭脳ゲームではもう勝てなくなるのはもう必至。
でも忘れちゃいけいないのは囲碁はこの現実世界の何億倍もシンプルな世界で演算しやすいものだってこと。