RoBoHoNがこれまでのAIと違う画期的な点とダメな点
昨日シャープがRoBoHoN(ロボホン)という新しいインターフェースを発表した。
公式HPhttps://robohon.com/special/
ちょっと変わった電話とシャープは宣伝しているが、ぼくは新しいインターフェースだと思う。(理由は後述)
他とAIロボットとは違う画期的なところ
映像投影できるプロジェクター機能がある。写真や動画を映せる。
なんと本体の目の部分がプロジェクターになって映像投影ができる。これは画期的。これまでの主要なデバイスではこのミニシアター的な機能がついたものはなかった。
Photo by https://robohon.com/special/
すばらしい。これは未来。
人を追って撮影、録画を行える(頭部が自動可動する)
Photo by https://robohon.com/special/
見落としがちかもしれないが、これも画期的なところ。撮影時に人の声や顔を認識して個別に追うことができるようだ。
人の生活により密着したAIロボットとしての総合能力
できることが記録、通話、通信、検索、録画、録音、映像投影等々…と非常に多機能である。1つ1つの機能だけを見るなら今までにあったものだがそれを組み合わせて1つのデバイスにすることで非常に便利なものになっている。
公式コンセプトムービーを見ればその画期的さが伝わってくると思う。
このムービーから分かる通り、これは決して「電話」ではない。「次世代型ロボット」と言った方が10倍くらいは適切だと思う。ただそれでも上手く説明できていないと思うのでとりあえず今までになかった新しいインターフェースということにしておく。(個人的には、人の形を模したのも意外とポイントかもしれないとか思ったりしている。)
ダメなところ
キャッチコピーが終わってる
これまで言ってきた通りこのRoBoHoNはすごいと思う。画期的だと思う。…ただ、キャッチコピーが終わってる。絶望的にセンスがない。というか製品の本質をきちんと表せていないと思う。個人的にはシャープには頑張って欲しいのであまり批判的なことは言いたくないが、ここはシャープのことを思って言わせてもらう。製品は画期的だが、キャッチコピーはひどい。
ちなみに2015/10/06現在公式HPにのっているキャッチコピーは以下のものだ。
ココロ、動く電話。
どうだろう。
さきほど言ったRoBoHoNの画期的な点を考えたり、コンセプトムービーを見ればいかにもったいないキャッチコピーかが分かるだろう。
まず第一に差別化されていない。気を引けそうにない。ココロ、動かない。キャッチコピーの最低条件は気を引くことだ。(コカ・コーラやマクドナルドがよくうっているイメージ戦略広告は除く) 見てもらわなければ話にならない。これがダメ。
その最低条件をクリアした上で求められるのが第二の点、製品の本質を魅力的に伝えることだ。これもダメだ。まったく魅力的じゃない。さらに言うなら「電話」は本質ではない。
それともあれだろうか、電話って言わないと親しみやすさを感じてもらえない、ITに疎い層をターゲットとしたキャッチコピーなんだろうか。でもそれもコンセプトムービーを見る限り違うようだ。そもそも「スマホはよく分からないけど電話は大丈夫」という層がスマホを飛び越えて「電話ならロボットっぽいのでもいいか」と決断するのはなかなかのウルトラCだろう。
いや、ホントはぼくが未熟なだけで本当はこれを欠いても余りあるほどの何かがあるのかもしれない。その可能性はある。もしそうなら教えて欲しい。是非。他意なしで純粋に気になる。なぜこのキャッチコピーになったのか。
感想、細かいところ
とまぁ後半はいろいろと気になることを言ってしまったが、このRoBoHoNは素直にすごいと思った。現段階ではPepper君よりずっと優秀だと思う。他者が開発しているAIとも一線を画している。正直欲しい。買うかもしれない。
あとはAI全般の音声認識精度や動作精度の向上に伴ってさらに便利になるだろう。細かいところを言えばもう少し小型化してくれれば理想的だ。首から下げてる絵はちょっと不自然だったから。携帯のしやすさはそのまま普及率に直結するだろうし。(少なくても力仕事をする設計じゃないだろうから、小型化はしたいと思うんだけど…技術的に難しいんだろうなぁ)
現段階ではシャープの体力に余裕があるわけではないので、今回のような製品の開発が最適かどうかは別として目のつけどころは、シャープ…かも。