BOSE SleepBuds 2を試してみたのでそのレビュー
2021/05/13
この製品を試したかった背景
このSleepBuds 2を買おうかと悩んでいる人はほぼ全員、「睡眠」に関する悩みを持ってる人だと思う。
自分の場合は、借りてる賃貸アパートで隣部屋からこの頃深夜、早朝に突如響いてくる扉の開け締め、物音で飛び起こされ慢性的に睡眠不足になってしまうのを解消したかった。
こういった場合で、賃貸アパートでできる対策というのは非常に限られている。
防音材(吸音材、遮音材)→自分が他の部屋に向けて出す音の軽減にはなるけど、他の部屋から自分の部屋に伝わる音はほぼ軽減されない。
耳栓→遮音性能が高いものほどずっとつけてると耳が痛くなってくるし、寝てる間にとれて結局早朝はノーガード。
ノイズキャンセリングイヤホン→電池持たない。そもそも周期的じゃない突発的な音に対しては最新最高級イヤホンでも全くノイズキャンセリングできないから根本的に無意味。
イヤーマフ→耳は痛くならないけど、側頭部が痛くなってきて寝れない。あと寝返りうてないから毎日使うのは無理。
という感じで八方塞がり。
そもそも今回の自分のケースのような低音(振動音)には耳栓、イヤーマフなどいずれも大して効果を発揮しない。
残るは寝室をまるごと囲うほどの防音室を購入、またはレンタルするしかないが大家の意向的にも財布の意向的にもそれは無理。
いろいろ調べてみたが、賃貸ではできる「防音対策」自体にだいぶ限界があるなと思った。
そこに来てノイズマスキングという、
「消すのが無理なら、別の音を一緒に聞かせてマスキング(ぼか)させてしまえばいいじゃない」
という発想の転換。
前のモデルであるSleepBudsは充電の問題などの不具合で販売が終了していたのだが、今回それらの不具合を解消してリニューアルしたSleep Buds 2が販売されることになった。
発売は今月10月下旬だが、最寄り家電量販店では試用ブースが設置されるという。
ということで、藁にもすがる思いで店へ足を運んだ。
使用してみた感想
付け心地
付け心地は良い。
耳栓、ワイヤレスイヤホン、イヤーマフのどれよりも付け心地は良い。
バッテリー性能
パンプレットによるとバッテリーは最大10時間持つとのこと。
最大、という言葉が気になるし、欲を言えばもう少し持ってほしいところだが個人的には及第点。
選択できるサウンド
2020/10/17現在、再生できるサウンド(マスキングするヒーリングサウンド)は10曲程度だそうだ。
まぁ使える曲が1曲あればそれをひたすらリピートするので全く問題ない。
ちなみに選択できる曲は雨音や風の音、小雨(霧?)の音など基本的に自然音だった。
マスキング性能
ここが肝。一番大事な部分だ。
しかし結論から言えば……全くダメだった。
まずこのSleepBuds2をコントロールするスマホの専用アプリで一定以上のボリュームにすると、
「このボリュームだと周りの聞くべき音(話し声)もマスキングしちゃうので気をつけてね」(うろ覚え)
というようなメッセージが表示されるのだが、それまではマスキングのマの字も感じれない。
快適性を重視したためか普通のカナル型イヤホンよりもこのイヤープラグ自体の遮音性能はだいぶ低く、比較するためにもってきた1000円イヤホンで小さく音楽をかけていたほうがまだいい。
そして件の「このボリュームだと……」のメッセージが出るまでサウンドのボリュームを上げると、どうなるか。
うるさいのである。
もはやマスキングというレベルではない。日頃からけっこう大きなボリュームで音楽を鳴らして寝れる人ならともかく、僕は無理だった。そもそもこのボリュームの音を聞いて寝れてる人ならわざわざこの製品を使う必要がないのではという疑念が湧いてくる。
致命的絶望的だったのは、その状態で振動音を出してみると普通に聞こえることだった。
いや、多少は紛れている。けっこうなボリュームな風の音が一応マスキングの役割は果たしてくれてはいる。
でも、これだったらこの1000円イヤホンで同じボリュームで音楽流したほうがマスキングされてるよな……という思いを禁じ得なかった。
販売員の方にそのことを伝えると彼は
「マスキングの役割は音を目立たなくさせることなんでー」
と答えてくれた。
「いやいや!この安物イヤホンのほうが外の音目立ってないんですけど!SleepBudsさんの方が周りの振動音目立っちゃってるんですけど!響いちゃってるんですけど!」
というツッコミをグッとおさえた僕は、笑顔でなるほどーと答え、静かにその場を後にした。
(個人的な)まとめ
歯に衣着せぬ言い方をすると、個人的にはこの製品は
装着感が良くてバッテリーが持つ再生曲限定ワイヤレスイヤホン
だと思った。
個人的にこれに3万円は無理だなと思って購入はしなかったが、ちょうど上のような製品がほしい人はいいかもしれない。(一緒に寝る人のいびきとかで寝れない場合には良いという声も聞く)
ただ期待が大きかった分落胆してしまった。いずれにしてもマスキング性能に関してはさっき話した通りだったので、自分の安眠はサポートしてくれなそうだった。
というかマスキングという名前をつけてはいるが、やっていることは単純に音を流しているだけだ。
無料のヒーリング音楽を密閉性の高いイヤホンで流せば、SleepBuds2と同じことができる。むしろマスキング性能としてはその方が高い。……それでぐっすり寝れれば楽な話なんだけどなぁ。
うん、安眠に向けて打つ手がなくなってしまった。
たのむから寝かせてくれ