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TPPで著作権法が大きく変わる流れ

      2015/08/03

法律

 

著作権。

普通の生活をしていたらなかなか馴染みのないものかもしれませんが、この枠組みが大きく変わる可能性が高くなってきました。

現状とこれからの予想をなるべく分かりやすく説明していきたいと思います。
(2015/08/03追記:ご指摘を受け、記事内容を一部修正しました)

 

 

今までの著作権

 

これまで著作権というのは「親告罪」という枠組みでした。

これは著作権権利者の告訴があるまでは公訴することができない…簡単に言うと、「権利者が告訴するまではどんな黒いものでもグレー」というものです。

二次創作とかは完全にこの背景の影響を受けているでしょう。権利者が何か言うまでは基本的に許されているような状況ではありますし。

参考までに一応Wikipediaの概要を貼っておきます。

 

親告罪(しんこくざい)とは、告訴がなければ公訴を提起することができない犯罪をいう。告訴を欠く公訴は、訴訟条件を欠くものとして判決で公訴棄却となる。

引用元 親告罪 – Wikipedia

 

 

TPPによって変わるかもしれない今後の著作権

 

これが「非親告罪」というものになる可能性があります。

ご存知の通り、現在アジア諸国、アメリカ、オーストラリア等の国々でTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)という経済協定が協議されています。
この協定にはその国家間の関税を撤廃したりルールを統一化して経済の流動化、活性化を図ろうという目的があるのですが、今回その中に著作権の非親告罪化とその保護期間70年で統一という内容が盛り込まれる可能性が高そうだという報道があったのです。

著作権保護期間を70年で統一というのは分かりやすいですね。
現在、日本では著作権保護期間は権利者の死後50年となっていますが、それが70年まで延長されるということです。

で、次に非親告罪化。
これは今まで権利者、つまりその著作物を生み出した人の告訴が必要不可欠だったのが、それなしで検察が公訴できるようになったということです。

ちなみに、勘違いしやすい点ですが非親告罪化しても罪になるかどうかは著作権権利者の許可の有無である、という点は変わりありません。

ただ、今までは作者自ら「これダメです!」と言わないといけなかったのが、検察が「これダメですよね?」といきなり公訴できるようになりました。
作者が見逃していたor知らなかった権利侵害もこういった検察主導の公訴によって摘発されるケースが増えることが予想されます。

 

具体的な内容は2015/07/30現在も協議中で、「権利者の市場での活動に影響を与える場合に限る」という条件がつくとかつかないとかの話も含めてまだ未定なので、ここで騒ぎ立てるのは早計な気もしますが動向は注視していきたいところです。

 

著作権の本質というのは、つまるところ「どこまでマネを許容するか」という一言に尽きると思います。

バランスが大事ですね。