3月のライオンの名言を細かくまとめてみた
名言集は個人的には嫌いです。
様々な角度から見れる一つの作品を「ここが素晴らしいところだ!」と決めつけている独断に感じてしまうからです。そんなフィルターかかったもん見るより原作見た方がいいんじゃない?と。
でも今回はぼくがそれをやってしまいます。なぜかって?
今検索上位の某3月のライオン名言まとめが作品の素晴らしいところをあまりに見逃してたからさ!(独断)
前置き
ただせっかくこういったものを作るので、今NA○ERまとめにのっているヤツより読者のためになるものを作りたいと思います。具体的なポイントは3つ。
1.登場人物別に分けて名言を載せていきます。
2.なるべく関連している前後のセリフを入れるようにしています。(3月のライオンは前後の文章がないと意味がボヤけがちなので)
3.備忘録的な使い方もできるように掲載巻と掲載章を記載します。
では、前置きはここらへんにしてさっそくいってみましょう。
3月のライオンの名言(人物別)
桐山零の名言
(お前はどこに行きてえんだ?)
そう言われてやっと気づいた 「行きたい所」なんて無いって事に どうやら僕は「どこかに行きたかった」のではなく 「どこかへ行ってしまいたかった」という事らしいのだ
第2巻 Chapter11 神さまの子供(その①) より
ここまで来ればもう大丈夫だ ここにさえ着けば… ここにさえ居続けられれば… あれもこれも多くを望まなければ 停滞を受け入れてしまえば 思考を停止してしまえれば もうここはゴールで そして もう一度嵐の海に飛び込んで 次の島に向かう理由を僕は もうすでに 何一つ持ってなかった
第2巻 Chapter11 神さまの子供(その①) より
(高橋勇介)桐山さんはプロになってから一年遅れてまた学校に行かれてますよね あの… それはどうしてですか?
(桐山零)…えーと 僕は本当に将棋にしか特化してないんです 人付き合いも苦手だし 勉強は好きだけど学校にはなじめませんでした 人生を早く決めた事は後悔していません… でも多分 「逃げなかった」って記憶が欲しかったんだと思います
(高橋勇介)… ――…そうか… 「逃げたり」「サボったり」した記憶って 自分にしかわからないけど…… ピンチの時によく監督に「自分を信じろ」って言われるんすけど でも自分の中にちょっとでも「逃げたり」「サボったり」した記憶があると 「いや…だってオレあの時サボっちゃったし…」って思っちゃってそれができないんです だから上手く言えないけど そういうの失くしたかった……って事ですよね
第2巻 Chapter13 神さまの子供(その③) より
あああ――――――っっ ――っっ
みんなオレのせいかよ!? じゃどーすりゃ良かったんだよっっ
ふざけんなよ 弱いのが悪いんじゃんか 弱いから負けんだよっっ 勉強しろよ してねーのわかんだよ
解ってるけどできねーとか言うならやめろよ!! 来んな!! こっちは全部賭けてんだよ
他には何も持てねーくらい将棋ばっかりだよ 酒呑んで逃げてんじゃね――よ
弱いヤツには用はねーんだよっっっ逃げるならっ 逃げれるくらいなら なんで…
第2巻 Chapter21 贈られたもの(その②) より
早く大人になりたかった
自分の足で立てるようにならなければ
大事な人達を
守れないと思ったから第3巻 Chapter30 月光 より
倒れても
倒れても
飛び散った自分の破片を掻きあつめ
何度でも立ち上がり進む者の世界
終わりの無い彷徨「ならば なぜ?」
――その答えは決してこの横顔に問うてはならないその答えはあの嵐の中で自らに問うしか無いのだ
第4巻 Chapter42 京都③ より
「正しく戦った」とさっきの人たちは言ってたけれど
自分の問題を克服せずに他人に背負わせる事を「正しい」と言うのなら
僕の答えは――ただ一つ
ふざけるな第6巻 Chapter62 王国 より
人生は計り知れない
「一寸先は闇」って言葉がメジャーだけど その逆もまた 充分起こりうるのだ
「3分先は光」みたいに
第10巻 Chapter99 雨の降る街 より
二海堂晴信の名言
負けた… 強かった… あんなに強くなってるなんて………… ――でも 次は絶対に負けない
第1巻 Chapter5 晴信 より
「潔い」のと「投げやり」なのは似ているけど違うんだ!!
第2巻 Chapter14 大切なもの。大切なこと。 より
こういう小さな一歩一歩を積み重ねた上に未来というものがあるのだから
第2巻 Chapter15 将棋おしえて より
出るさ 絶対にタイトルに挑戦する そう決めている そう思わないでどうしてやっていける
第4巻 Chapter34 銀の糸 より
幸田香子の名言
触らないで
――でも 離れないで第3巻 Chapter30 月光 より
幸田(桐山零の養父)の名言
無理だよ 他人が説得しなけりゃ続かないようならダメなんだ
自分で自分を説得しながら進んでいける人間でなければダメなんだ
プロになるのがゴールなんじゃない なってからの方が気が遠くなる程長いんだ
進めば進む程道はけわしくまわりに人はいなくなる 自分で自分を調整・修理(メンテナンス)できる人間しかどのみち先へは進めなくなるんだよ第1巻 Chapter10 カッコーの巣の上で より
松永正一の名言
(桐山零)松永さん… 将棋好きですか…
(松永正一)――知らん 知るもんか… 勝った時は叫び出す程嬉しくて 負ければ内蔵を泥靴で踏みにじられるように苦しくて 世界中に「生きる価値無し」と言われたような気持ちにさいなまれた… なのにっ…それなのに辞められなかった この気持を そんなっ 言葉なんぞで 言い表せるものかっっ
第2巻 Chapter19 遠雷(その③) より
川本ひなたの名言
――そうだ 遠くへ行ってしまう ものばかりじゃない
消えていくもの ばかりじゃない
それをぜったいに 忘れてはいけないんだ第9巻 Chapter87 経る時 より
川本あかりの名言
ね――っっ
「達成感」と「めんどくささ」はもれなくセットになってるのがねー
第3巻 Chapter23 くる年 より
川本相米二の名言
恥なんてかいてナンボだ
「失敗した」って事は「挑戦した」って事だからな
何もやんねーで他人の事笑ってる人生よりずっとマトモだ第3巻 Chapter31 自我のカタマリ より
三角龍雪の名言
「勝てるかもしれない」――と思える人間がそのまま 「勝つ可能性のある」人間だったりするのだ (ここで自分が勝ち上がるビジョンが浮かんでいない回想が入る) つまり そーゆー事だ
だがしかし そっからも更に生き汚く「勝ち」ににじり寄ろうとするのが またプロの仕事ってヤツなんだよね
第3巻 Chapter26 黒い河 より
林田高志の名言
だ――――っっ もう さっきから聞いてりゃ でもでもでもと!!
「でも」が100個揃えば開く扉あればいーがはっきり言って ねーよそんなドア!!
第3巻 Chapter29 ほんの少しの水 より
今日みたいにさ
一人ではどーにもならん事でもさ
誰かと一緒にがんばればクリアできる問題ってけっこうあるんだ
そうやって力をかりたら次は相手が困ってる時お前が力をかしてやればいい
世界ってそうやってまわってるんだあのな
大事なことだぞ?
いいか?
一人じゃどうにもならなくなったら
誰かに頼れ
――でないと実は
誰も お前にも
頼れないんだ第3巻 Chapter32 夜を駆ける より
でも答えはどこにものってない いや「ここに居る人間の数だけ」の「答え」があるからこそのこの泥沼だ
立場も性格も関係してくる人間の配置も違う
だからどのケースにも効く「完璧な答え」なんてどうやったって出てこない――だからってあきらめる訳にはいかねんだ!!
「答えが見つかんないから何もしませんでした」じゃ話は進まねえ第5巻 Chapter54 想い より
島田開の名言
「縮まらないから」といって それがオレが進まない理由にはならん
「抜けない事があきらか」だからって オレが「努力しなくていい」って事にはならない第4巻 Chapter39 夜を往く より
(棋士の道を諦めて田舎に帰って暮らした夢を見て)
笑えたのは 夢の中でも 将棋を指していた事 ――それでも「棋士になりたかった」と 悔やんで やっぱり 胃を痛めていた事
棋士になれなくて田舎に帰った自分 全てを賭けてここまで来ても4タテくらいそうな自分
どっちが悪夢か とことん味わってやろうじゃないか
第4巻 Chapter41 京都② より
痛い 痛い (みぞおちの中で黒い沼が) 痛い ああ痛い
全くもって 本当に (どぶどぶと) ああ (脈打っているようだ) ああ 畜生っっ「生きてる」って 気がするぜぇ
第4巻 Chapter42 京都③ より
藤本雷堂の名言
「欲が無い」事を日本人はとかく美しい言い立てるが
目標は良くて欲はイカンておかしいだろう そりゃ同じモンじゃないのか?第4巻 Chapter41 京都② より
後藤の名言
オレはただリングに上がりもしねーで野次だけ飛ばすヤツを見ると虫唾が走るんだよ
第5巻 Chapter48 混沌 より
山崎順慶の名言
「信じれば夢は叶う」
それは多分本当だ
但し一文が抜けている
「信じて努力を続ければ夢は叶う」
――これが正解だ
さらに言えば
信じて「他のどのライバルよりも1時間長く毎日努力を続ければある程度迄の夢は、かなりの確率で」叶う―だキャッチコピーというものは 短い方がいい
――でも これは あまりにも はしょり過ぎだと思う
それじゃまるで 「何もしなくても」「ただ信じていれば」叶うみたいじゃないか
この文章を ここまで削ったヤツに 何を思ってここまで削ったのかと問い質したい
第7巻 Chapter64 銀の羽根 より
柳原朔太郎の名言
さぁて行こうか
「勝つ事」も――そして「負ける事」すらいつだってそう簡単に決まっちゃくれないもんなんだ
第8巻 Chapter80 焼野が原② より
「さよならだけが人生だ」
――誰が言ったんだっけ
せいせいとしたいい言葉だ…
1人ずつ欠けて行く事も解ってる
将棋からも人生からも
――でもな俺は覚えている
好きなヤツも嫌いなヤツも
山程いたが
間違いねえ
――今の俺はその
全部のカケラでできている
「たすき」ってのは「期待」だ
何百何千とかけられたそれは
時に
身動きさえとれぬ程
重いものであったが
火だるまになる恐怖からも
重く
逃げ出せぬように縛りつけてくれていた
――だとしたら俺はひょっとして
この「重さ」のおかげで
ここまで逃げずに来れたとも言えるのか…第8巻 Chapter82 焼野が原④ より
雑記、あとがき
読んだ人は既にお分かりのことかと思いますが、本記事の名言集には、羽海野チカ先生独特の情景描写を含んだ部分は省いております。なぜなら一連のストーリーと絵がないとまず伝わらないと思うからです。(それでも幾つかは無理矢理入れましたが)
ぼく個人としてはこれらが3月のライオンの「素晴らしいところ」だと強く思っていますが、当然個々人によって感動する部分は違うとは思います。ですので備忘録的な使い方をしてもらっても構いません。
……うん……セリフだけ抜き出しても全然伝わらねぇ!羽海野先生のマンガあっての名言だわ!
原作読んでもらうしないな結局!みんな、3月のライオン読んでね!