「ヒカルの碁」の感想。日本財団学習マンガ100選その2
前の記事にひきつづき今回も日本財団学習マンガ100選の感想シリーズを書いていきたいと思います。
参考リンク「聲の形」の感想。日本財団学習マンガ100選その1
前置きこの記事にはネタバレをしないようにできるだけ頑張っております。
ヒカルの碁
今回はほったゆみさん原作、小畑健さん作画の「ヒカルの碁」です。
ヒカルの碁のあらすじ
ネタバレになるけどあらすじを表示する
主人公・進藤ヒカルは、運動好きで頭を使うことが嫌いなごく普通の小学校6年生。たまたまに祖父の家の倉を物色していた際、古い碁盤に血痕を見つけたヒカルは、その碁盤に宿っていた平安時代の天才棋士・藤原佐為(ふじわらのさい)の霊に取り憑かれる。囲碁のルールも、佐為がかつて憑いていた棋聖・本因坊秀策の強さも知らないヒカルは、「神の一手を極める」という彼の壮大な目標に付き合わされ、彼にせがまれるままに碁を打つことになる。以降、佐為はヒカル以外には姿も見えず会話もできず、物を動かすことすら出来ない存在であることを前提に物語は進む。
囲碁が打ちたいという佐為の要望に応えるためにめぐっていたとある碁会所で同年代の少年塔矢アキラと出会う。アキラは現在の囲碁界のトップ中のトップである塔矢行洋の一人息子であり、すでにプロ級の腕前を持ち将来の名人と目される少年であった。そんな相手とは露知らず、佐為の指示通りに石を打って対局した結果ヒカルはアキラに勝利する。同年代に自分と伍する相手がいるとは思っていなかったアキラはこの敗戦を切っ掛けにヒカルを自分の倒すべき高い目標として追いかけることになる。一方、訳のわからぬままに勝利を収めたヒカルはアキラの囲碁にかける熱い思いを見て、自分自身がもっと囲碁に対しての理解を深めたいと思うようになる。
他方で塔矢行洋は息子のアキラを破ったヒカルに密かに注目するようになり、また佐為は現在の最強者であり自分と対等以上に戦える相手である行洋と対局してみたいと願う。
そのようなことがあり、中学に進学したヒカルは部活動として囲碁部を選択し、囲碁の団体戦に出場し勝利することを目標とする。一方でアキラは自分より格上のヒカルが中学の部活などに参加することが理解できなかったが、ヒカルと対局したい一心で自分もまた中学の囲碁部に参加する。紆余曲折あり、大会でヒカルとアキラの一戦が実現する。当初は佐為の指示通りに打っていたヒカルであったが、自分の意志で打ってみたいという欲望がもたげてきて対局途中からはヒカル自身がアキラと対局する。当然、素のヒカルとアキラでは勝負にならず、アキラからは「ふざけるな!!」と失望・大喝され、ヒカルの大敗に終わる。しかしその石の運びは佐為をして「面白い」と言わしめ、ヒカルの才能の煌めきを感じさせるものであった。
ヒカルに失望したアキラは改めてプロの道を邁進し父の背中を追うことを誓ったが、ヒカルに対しての思いは喉の奥の魚の骨のように引っかかったままであった。ヒカルはアキラに失望されたことを屈辱に思い、いつか自らの力でアキラと対等な勝負がしたいと思うようになる。一方で「囲碁が打ちたい」という佐為の無聊を慰めるための手段としてネット碁を見出して、ハンドルネーム「sai」として佐為を対局させる。ネット碁の世界で「sai」の圧倒的な実力はたちまち知れ渡ることとなり、アマチュア世界選手権の場で大会そっちのけで「sai」の正体探しに参加者が奔走するような事態となる。ヒカルはアキラが「sai」を追い求めてきたことで「sai」騒動を知り、ネット碁を止め、自ら佐為と対局するようになる。
佐為との対局で急速に力をつけたヒカルはアキラを追いかけるために院生(日本棋院で修行するプロ予備軍)の世界に自ら飛び込む。院生のライバルたちとの切磋琢磨の中で更に実力をつけ、厳しいプロ試験を潜り抜けてヒカルはついにプロ囲碁棋士となる。
ヒカルがプロ棋士となった直後の「新初段シリーズ」(新たにプロとなった棋士とトッププロとのお祭り的な対局)でヒカルと行洋が対局することになる。この機会に何とか行洋と対局したいと佐為は願うが、ヒカルは佐為に対局させてやりたいと思いつつも佐為の正体がばれることは困る。妥協案として佐為の実力が発揮できないように佐為に大きなハンデを背負わせて対局に臨んだが、当然佐為の敗北に終わる。行洋はヒカルと佐為の事情はまったく知らないものの佐為の実力は見抜き、「次は互先で」と述べる。佐為もまた行洋と対等に戦える日を待ち望む。
引用元:ヒカルの碁 – Wikipedia
ヒカルの碁の感想
アツい。アツすぎる。正直そこらへんのスポ根系マンガなんかよりもずっとアツい。読んでてやる気の向上が止まりません。努力、夢、希望、成長、葛藤……全自動モチベーション向上装置といっても過言じゃないです。「囲碁マンガだし、地味でしずかな感じかなぁ」という偏見をまちがいなくぶっ壊してくれます。ちなみに完結済み作品。
このヒカルの碁は普通のマンガの展開ではよくある箸休めというか中だるみというか……そういうものが一切ありません。激しい切磋琢磨の展開がずっーと続きます。それでも物語としてうまくまとまっているのがすごいですね。
アニメ化もされていて、そちらからもほとばしるアツさを絶え間なく感じることができます。原作に忠実に全75話、ずーっと。何回も繰り返して恐縮ですが、こんなにアツい展開が途絶えずにうまくまとまっている作品をぼくは他に知りません。
終盤のある出来事が起こった時は「これは……もう終わった……」とか思いましたが、その後も涙ぐましい成長の物語が続いていくのも驚きでした。まぁ悲しかったけどさ。喪失感がはんぱではない。最後の最後まで信じれませんでした。
どの場面か表示(ネタバレ)それはもちろん佐為がいなくなった時ですよ……
原作者のほったゆみさんの才能がおそろしいですね。
囲碁を題材にしたマンガ自体がとても少ないのであれですが(ぼくは他は星空のカラスと入神くらいしか知りません)、その中では一番好きなマンガです。というかそういうくくりをとっぱらってもかなり好きなマンガです。
あなたも最後まで一気に読み進めてしまうことでしょう。
マンガでもアニメでもかまわないのでぜひ一回見てみてくださいな。