ぼくらの研究

ぼくらのための研究をしていきます。

それを愛と呼んでいる

      2017/02/18

カルテット第5話を見た。

吉岡里帆さんがこんなセリフを言っていた。

夫婦ってふつう、恋愛感情ってないものでしょ

みんなウソつきでしょ

この世で一番の内緒話って、正義はたいてい負けるってことでしょ? 夢はたいてい叶わない 努力はたいてい報われないし、愛はたいてい消えるってことでしょ?

そんな耳障りの良いこと口にしてる人って、現実から目を背けてるだけじゃないですか?

だって夫婦に恋愛感情なんてあるわけないでしょ そこ白黒はっきりさせちゃダメですよ したら裏返るもんオセロみたいに 大好き、大好き、大好き、大好き、大好き、大好き…殺したいって!

言いたいことはわかるし、一理ある。

たいてい負けるし、たいてい叶わないし、たいてい報われないし、たいてい消える。

 

いやでもさ、そう思うんだったらそもそも結婚する意味なんてないじゃないか。

別に事実婚でもいいだろうし付き合ったままでもいいだろうしもっと言ってしまえば付き合ってなくてもいいじゃないか。

よく結婚とか愛の話になると、何か達観したような目で「現実はさ~」から始まって「結局結婚とか愛ってそういうもんだよ」みたいに悲観的に語る人がいるけど、そういう人こそ現実を見てないんじゃないのか。

だいたい(そういう人がよく持ち出しがちな)メリットデメリット、損得で考えても生涯添い遂げる相手を一人に決めるっていうのは相当のリターンがなければリスクに見合わないじゃないか。

たいして期待していない相手とその後人生を共にすると誓い合うのが現実的な判断だなんてとても思えない。

現実をきちんと見ればこそ、結婚や愛に妥協の余地はない。

パブロフもびっくりの精度で発現する「そろそろ結婚しなきゃ」という謎の既成概念がそこまで大事なのだろうか?

将来のパートナーの決定と天秤にかけてそんなものが釣り合ってしまうのだろうか?

妥協して決めた相手と一生一緒にいることがどれほど自分の人生を豊かにしてくれるのだろうか?

 

……いやまぁ確信をもって選んだ相手だとしても結果的にうまくいかないことはある。

ぼくらは神様じゃないし、未来を見てきたわけでもない。

だからどんなに確信を持っていたとしてもどんなに年月をかけて確かめたとしても、結局見切り発車には変わりない。

ただ「んー悩むなぁ。いけるかないけないかな……いやいける……たぶん」みたいな見切り発車なのか、それとも「絶対いける。絶対。未来を見てきたわけじゃないからほんとは絶対とか言えないんだけどさ、でも絶対いけるわ」という自信をもった見切り発車なのかは大きく大きく違う。結果も、おそらく大きく違ってくると思う。

 

たいてい負けるし、たいてい叶わないし、たいてい報われないし、たいてい消える。

でもこれは違う。

これだけは違うと信じて疑わない。

そういうものをぼくらは愛と呼んでいる。