さよならアイデンティティー
2016/06/06
もはや個性は必要ない。
インターネット上に敷き詰められた数多ある記事のなか、文才一つでファンを掴んでいける人というのが果たしてどれほどいるのだろうか。
ましてや生計が立てれるほどの規模にするというのは才能に恵まれた者でも至難の技。継続するのはさらなる茨の道。
収益なんて関係ない、自分の心の内を吐露するためだけに書くんだ、という人間は絶滅危惧種だ。
もし本当にそう思うのならCampusノートを買ってきて日記でも書いてればいい。面倒な広告タグなんか入れ込まなきゃいい。
1番の目的は別にあってマネタイズはニの次三の次だと言いながら、そうしないのはもはや欠かすことのできない条件になっているからに他ならない。
でもそれだったら無個性な検索エンジン迎合型の記事を量産したほうがいいんじゃないのか。そうだ。収益面でも効率がいい。
興味のないトレンド。キーワードを入れ込んだ無機質なタイトル。SEOを意識した文字数を稼ぐためだけの蛇足。コピペリライト上等。自分じゃなくても書ける、他の誰でも書けるし将来AI記者にも取って代わられるポジションだけどそれでもいい。とりあえず今お金が稼げればそれでいい。途中、こんな身にならないことをするんだったら他の仕事をした方が将来的にも収益的にもまだいいのではという思いが頭をよぎるが、惰性がそれを忘れさせた。
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こうしてぼくはダークサイドに堕ちた。
収益をあげることが条件から目的にすり替わり、盲目的に砂上の楼閣を築いていく。
あぁ、この砂にぼくの色は見当たらない。
<To Be Continued……たぶん>
※この記事はだいたいフィクションです。