データサイエンティスト養成読本を読んだ感想
2016/12/30
いまさら感はあるのだが、技術評論社出版のデータサイエンティスト養成読本を読んだので感想を。(ちなみに改訂2版)
最初に断っておくと、この本を読めば”データサイエンティストに必要なもの”は知ることはできる。
が、それらを習得することはできない。断言する。できない。
どういうことかと言うと、この本では「データサイエンティストに必要な知識やスキルはこういうものだよ、こういうものを使うんだよ」という指標を教えてはくれるが、それら必要なことを習得するためのコンテンツが限りなくゼロに近い。
「データサイエンティストには統計学的な知識の他にも機械学習、ディープラーニングの知識も必要だね。でもそういうアカデミックな知識だけじゃなくてRやPythonのプログラミングもできないとダメだよ。あ、もちろんSQLもいじれないと話にならないね。」ということは教えてくれるが、それらについて細かく説明することはしない。
また別の言い換えをすると「全体像や合格ライン、基準、必要な資格がなんのかを教えてはくれるが、それらを習得するための個別の授業はしない」みたいな感じだろうか。
ただこれは仕方ないとは思う。ないしろデータサイエンティストに求められるものというのは多岐に渡っていて解説も含めて全部網羅しようと思えば10冊でも全然足りない。(データサイエンティストに求められているものの高さが改めて分かる)
1冊のボリュームで全容をまとめると、まぁどう頑張ってもこうなるんじゃないだろうか。
マイルストーン、指標としてデータサイエンティストの骨組みを知るための本だと言える。
とは言ってもかなり役に立つ本だとは思う。なにしろ”データサイエンティスト”というものが確固たるjobとして世に出てきたのはほんの3,4年前のことで、これについて体系立てられた本というのはほぼ存在しない。
今の時代に渇望されている役割なのに、その道は全く舗装されていない。
そんな中で、荒削りではあるけどもその全容をざっくりと把握し、具体的に何をどうすればいいのかを教えてくれるこの本はデータサイエンティストを志す人にとって地味にけっこう役立つはずだ。