近大マグロについて調べてみた
2016/01/12
Photo by 近大魚図鑑|近大卒の魚と紀州の恵み|近畿大学水産研究所
ギョギョギョッ!すみません取り乱しました。ぼくはさかなクンではありません。
昨日、とある番組で近大マグロが紹介されていて気になったので、ちょっと調べてみました。
近大マグロのまとめ
近大マグロとは
近大マグロとは近畿大学水産研究所が完全養殖したクロマグロのことを指します。
2002年以前はクロマグロの完全養殖が実現された例はまだなかったようですが、同年6月に近畿大学水産研究所が世界初の完全養殖に成功したと発表。2年後の2004年には市場に出荷できるほどとなりました。2015年現在は3700尾ほどのクロマグロが養殖されているとのこと。
ちなみに完全養殖とは、人工孵化→成魚→産卵→人工孵化→…という完全循環型の養殖のこと。2世代以降は天然の稚魚等を関わらせることなく、自分達の資源内で養殖を完結させることができます。
近大マグロの特徴
稚魚から出荷までの期間が短い
通常成熟に10年ほどかかるとされていますが、完全養殖のこのマグロは3~5年で出荷できるサイズまで成熟させることができているようです。
生存確率が非常に高い
天然マグロの生存率が3000万分の1、約0.000003%
対してこの近大マグロでは100分の10、10%。※ただしこの数字は中間育成期間などのことを言っているのがいまいち判然としないので、もしかしたら全体を通した確率は3%かもしれません。どっちにしろ天然の100万倍以上の確率となりますので生存率が非常に高いことには変わりませんが。
味
さすがにみんながみんな諸手を上げて賛美しているわけではないようですが、Twitter上のつぶやきでは美味しいというつぶやきの方が多いようです。天然マグロと遜色ない美味しさだと謳い文句はダテではないかもしれません。
近大マグロを食べて来た〜!開店前からスゴイ行列! チョ〜美味!! pic.twitter.com/R9EDfYhXB1
— 25himawari (@himawari_osampo) 2015, 8月 17
ハマチで思い出したんだけど、完全養殖で話題になった近大マグロ、何度か食べたんだけど、ベッチョリしてて美味しくない。たまたまなのか、養殖だとああいう味になってしまうのか、どちらなのかしら? — S太 ゲイ負け犬ブログ (@gaymakeinu) 2014, 6月 8
近大マグロ美味しかったです。 ごちそうさまでした。m(__)m pic.twitter.com/NR7MBl31uJ
— PON (@yukihiramune) 2015, 8月 30
全体的な傾向として天然ものと比べると身が柔らかい、といった特徴があるようです。以前は脂が多めだったようですが、今ではほどよい脂になるようにしているとのこと。
これは個人的な所見ですが、マグロの状態に合わせて適正にエサを変え脂身をコントロールして、消費者の舌に合わせているのでアベレージとしては他の市販されている天然マグロより高いという可能性はあるとは思います。ただ実際食べたことないので、あんまり参考にならないんだけどね。論より証拠かなぁ。
近大マグロの値段
現状近大マグロの値段は高いようです。他の養殖マグロはおろか天然マグロより高いことも多いとか。ただしこれは後述するレストランの話。地元等では安く販売されているところも多いもよう。
需要拡大に伴って供給規模の拡大がおこれば、単価も減少するので今後近大マグロの値段が安くなっていくことも考えられますが…数がとれない場合にブランド路線で固定されてしまう可能性もなくはないかな…。
近大マグロの販売場所
近大マグロが食べれるところは身近な都心で食べるところ2店舗。
近畿大学水産研究所 大阪店
住所 | 大阪府大阪市北区大深町3番1号 グランフロント大阪ナレッジキャピタル6階 |
営業時間 | 11:00-15:00 17:00-23:00※食材がなくなり次第終了 |
定休日 | グランフロント大阪ナレッジキャピタルに準じる |
電話番号 | 06-6485-7103 |
近畿大学水産研究所 東京銀座店
住所 | 東京都中央区銀座6丁目2番先 東京高速道路山下ビル2階(銀座コリドー街) |
営業時間 | 11:30-14:00 17:00-23:00※食材がなくなり次第終了 |
定休日 | 不定休 |
電話番号 | 03-6228-5863 |
参考リンク 店舗情報|近大卒の魚と紀州の恵み|近畿大学水産研究所
所感、マグロの価値の変遷
日本でもマグロが食べられるようになったのは1820年頃からで、それまでは「美味しくないし、すぐ悪くなるなぁ」ということでほとんど(特にトロ部位が)捨てられているということに少し驚きました。某番組でこのことを聞いてちょっと調べてみようと思ったんですが昔の資料ですぐ調べれる書籍がありませんでした。
サボ…効率を重んじるぼくはこの文化文政時代のマグロの食文化に関する記述をあさったところ、ちょうど実際書物にあたって調べたという方の記事を見つけました。
参考リンクhttp://home.wlu.edu/~ujiek/yomi71.html
ぼくが直接原典にあたって調べたわけではありませんが、どうやら間違いなさそうですね。
そうしてみると、それまでクズ魚として扱われてきたマグロの地位が(ぼくらの食卓的な意味で)急上昇してきたのがよく分かります。
すごいね。
とりあえず今日は寿司食べたいね。