「ブラックジャックによろしく」の感想。日本財団学習マンガ100選その5
セイハロートゥーブラックジャック。今回は医療の現場やその在り方について学べる学習マンガですね。
参考リンク「聲の形」の感想。日本財団学習マンガ100選その1
前置きこの記事にはあまりネタバレをしないようにできるだけ頑張っております。
ブラックジャックによろしく
今回は佐藤秀峰さんの「ブラックジャックによろしく」です。
ブラックジャックによろしくのあらすじ
名門「永禄大学医学部」を卒業した斉藤英二郎は、永禄大学附属病院で研修医として働くことになった。医師になるには医師免許を取得してから2年間、実際の現場の指導医の元で臨床研修を受けなければならない。しかし、月給は3万8千円。上京して一人暮らしをしている英二郎はそれだけでは当然足りない。そのために、他の病院で夜間救急の当直医のアルバイトをすることになるが、結果として厳しい日本の医療事情を身を以て経験することとなる。
研修医・英二郎が持つ理想の医療現場とは掛け離れた、病院が抱えている矛盾や医療問題に、苦悩しつつも懸命に立ち向かっていく姿を描いていく。
ブラックジャックによろしくの感想
医療現場がかかえる問題について学ぶことができる医療系マンガの金字塔。
いったい日本の医療の現場はどうなっているのか
病院はどうなっているのか
医大はどうなっているのか
医療とはなんなのか
ということを学ぶことができるマンガです。
もともと人気マンガでしたが、原作者の佐藤秀峰さんが全コンテンツを無料公開、二次利用を許可するなどのフリー化をして2,3年前にも話題になりましたね。(ちなみにパブリックドメインというわけじゃないから完全無法地帯全てFreeってわけではありませんよ。クレジットの表記義務などがあります。ご注意を。)
参考リンク「ブラックジャックによろしく」二次利用フリー化1年後報告 前編 | 佐藤秀峰 | note
1巻の最初からぐいぐいと引き込まれます。
「え、医者国家試験って実技はなにも見ないの?筆記だけなの?」
「うわぁ研修医って1日16時間も働いて月給3万8千円なのか…これはやっぱ家にある程度蓄えがないとキツいってのがわかるなぁ」※その後調べたら実際には地域によってだいぶ違うことが分かりました。一概に研修医の給料が全員このレベルというわけではありません。
と冒頭からいろいろ考えさせられることがずーっと続く感じ。ささる言葉が多いです。
この作品が世に出てからすでに10年以上たっているので、今もここに書いてあるような状況そのままだとは思いません………が、大きく変わったとも思えません。
最近医者(卵)になった知人と話してても、どうしても利k……癒tya……いろんな構造上の問題があるようで仕組みからはみ出すようなことはできない……みたいなことを聞きます。
高齢化社会の問題もおしよせてきているのでダブルパンチのような格好になっていますが、医療の問題は山積しています。
1病院当たりに常駐している医師の数。点数主義によって無駄に行われる診療。実体と乖離した偏見。非常に低い負担率の保険制度によって増加する診療頻度。高齢化によって増え続けるその人口。それら全てが折り重なって圧迫される国の医療財政。
それを踏まえてどうするのか?
非常にメッセージ性が強い作品なので(特に主人公の斉藤英二郎はエゴが非常に強いです。良いか悪いかはともかく)、一面的に物事をみるようなことはしないように注意しましょう。 作者の佐藤さんはキャラクターを変えて多面的に描いてくれています。
PCでもスマホでも無料で読めるのでまだ見てない方は漫画onWebとかからどうぞ。ページ開いて右上にある検索窓から検索してもいいですし、サイドバーにある人気ランキングにも入っていると思うのでそっちからでもいいです。
ぼくはすでに何回か読んでましたけどあらためて読みなおしてみました。
すばらしいマンガだと思いました。