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Twitter,インスタグラム…SNSの著作権を調べてみた

      2018/01/29

SNSをやっていたり、ブログを書いていたりすると気になりますよね…著作権。

何が違法で何が合法なのか、何がOKで何がNGなのか…そういったところを今日は調べていきたいと思います。

 

 

SNSでよく見かける著作権侵害

現状

特にTwitterでよく見かけるのは画像の流用です。厳密には権利者が許可を出している画像以外は加工や使用が制限されるのですが、赤信号みんなで渡れば怖くないの精神でいたるところに氾濫しています。

特にアニメやマンガの画像は無法地帯と言っていいでしょう。ただこの状態がもうずっと続いていて特に取り締まりが厳しくなる流れも見受けられないので(参考:クリス・アンダーソンのFREE)、基本的には著作権法違反で捕まる確率は少ないと思います。

ですが断っておきたいのは、あくまで現状そうなっているというだけで、それが決して許さているわけではない、ということです。実際数は少なくても捕まっている人はいるわけですし。

 

画像を勝手に使ってはいけないことになっているが、大半はお目こぼしをもらっている。

という感じですね。

 

Twitterの著作権に関する規約

Twitter

「基本的にTwitterに投稿するコンテンツ(ツイートや画像)はTwitter社が利用できることを許可する」という内容が利用規約にありますので(著作権を放棄するという意味ではなくあくまでTwitter社を通しての利用を許可するということ)、Twitterを利用している限りはこのことに同意していることになります。

 

5. ユーザーの権利

ユーザーは、本サービス上にまたは本サービスを介して、自ら送信、投稿、または表示するあらゆるコンテンツに対する権利を留保するものとします。ユーザーは、 本サービス上にまたは本サービスを介してコンテンツを送信、投稿、表示することをもって、媒体または配布方法 (既知のまたは今後開発されるもの) を問わず、かかるコンテンツを使用、コピー、複製、処理、改変、修正、公表、送信、表示および配布するための、世界的な非排他的ライセンスを (サブライセンスを許諾する権利と共に) 当社に対して無償で許諾するものとします。

引用元:Twitterサービス利用規約

ただ、この項目以降にコンテンツの利用範囲やその方法等が記載されているのですがそれを簡単にまとめれば、あくまで利用者がTwitter社とパートナー企業に対して許可しているのであり、ユーザーがTwitterに投稿しているコンテンツが全てパブリックドメインのような扱いになるわけではない、第三者が無制限に使える著作権フリーのコンテンツになるわけではないということです。

 

ざっくりとした具体例をあげます。
Twitterの公式APIを利用したツイート埋め込みは問題無し。画像を含んでいても問題無しです。規約で許可されています。
ですが、そういった公式のツイート埋め込み機能以外の方法で、Twitterに投稿されているコンテンツを第三者が勝手に利用するのは「白ではありません」。(著作権の性質からあえてこういう言い方をしています)

 

余談ですが、規約にある「日本の著作権法ではなく、米国カリフォルニア州の法律に準拠うんぬん…」は現在の主権国家体制の中の法体系では確かなものではないと思います。あくまで規約上はそうなりますが、グローバル企業がいくら規約に盛り込んでも法律上の問題はそれが扱われる国の法律以外では裁けないので。ここらへんはGoogleとヨーロッパとかを見るとよく分かりますよね。

 

 

Instagramの著作権に関する規約

インスタグラム

有名どころの記事であたかもインスタグラムの画像は転用が許されているような文言…というかそのまま転載が可能だという言い方をしているものもありますが、これは語弊があります。ありまくりです。

公式ガイドラインを見てもインスタグラム投稿者のコンテンツを第三者が勝手に利用していいなどとは書いていません。現在の著作権の特性上、権利者がダメだというまでは最終的な白黒がつくわけではないとはいえ、「黒って言われてないんだから白だろ」というのは暴論中の暴論です。

 

インスタグラムの利用規約を見ても投稿者のコンテンツが共有、利用されることについて具体的に言及しているのは以下の条項くらいでした。

各種権利

1.Instagramは、利用者が本サービスに、またはこれを通じて投稿するいかなるユーザーコンテンツについても、その所有権を主張しません。ただし利用者は、利用者が本サービスに、またはこれを通じて投稿するユーザーコンテンツを、Instagramがhttp://instagram.com/legal/privacy/に掲載されている本サービスのプライバシーポリシー(第3条(「利用者情報の共有」)、第4条(「弊社による利用者情報の保存方法」)および第5条(「利用者情報に関する利用者の選択肢」)を含みますがこれに限りません)に従って利用する、非独占的かつ無料、譲渡可能かつ再許諾権付きの世界的使用許諾を付与するものとします。利用者は、前述のプライバシーポリシーに記載されている方法で利用者のユーザーコンテンツおよび活動内容(利用者の写真を含みます)の共有範囲を選択することができます。

引用元:利用規約 | Instagramヘルプセンター 各種権利 第1項

 

これを見れば分かる通り、インスタグラムの投稿者がそのユーザーのコンテンツの権利を放棄することはなく、インスタグラムがプライバシーポリシーの範囲で共有or利用することがある、と説明されています。

参考リンクプライバシーポリシー | Instagramヘルプセンター

 

むしろ、同プライバシーポリシーページ内で

弊社は、本ポリシーに別途明記されていない限り、利用者から承認を得ることなく利用者の情報を第三者(またはInstagramが属する企業グループ内の他社)へ貸与または販売しません。

と書いてあるので、とある事件にあったように他人のインスタグラムを利用して写真を販売するのはダメでしょう。そしてTwitterと同様、共有もしくは利用が許可されているのはインスタグラム社と特定のパートナー企業のみです。

 

これらを総合すると公式に許可されているのはインスタグラム公式APIによる埋込表示くらいですかね。

 

 

まとめ

著作権は現在のところ親告罪ということや世情的にオープンにしていこうという雰囲気があってか、お目こぼしが多い分野です。
ですが厳密には権利者が許可しない限りは転載、加工しての再利用等は全てNGです。有罪か無罪かは権利者が「ダメ!!」というか「かまへんよ。」というかにかかっています。
その判断が下るまで厳密には白黒がつかない部分ではあるので「たぶん許してくれるだろう……気づかないかもしれないし……」という行動が多いですが、実はかなり綱渡りなんだとを自覚するべきだと思います。これからオープンになっていく可能性はありますが。

それとこれまで説明したように、Twitterやインスタグラム上のコンテンツは第三者の利用が許可されているわけではありません。許可された条件下での投稿コンテンツの共有(公式APIを使った埋め込み表示等)が許されている、と言った方が正確です。

なおここではあえて触れてこなかった「引用」にあたるかどうかとかは以下の記事をご参考にしていただければ幸いです。

参考リンクサイトのキャプチャ(スクリーンショット)を使うのは著作権上OKなのかをざっくりと

 

いろんなものがオープンになっていくのは一般的に好ましいとは思いますし、コンテンツの利用自体もどんどんスムーズにボーダーレスになっていっています。その反面、だれしも著作権の問題に抵触しがちではありますが、気をつけていきたいですね。(自戒もこめて)

 

追伸:

念のため断っておくと、この記事で使っている画像はもちろん著作権上の問題をクリアしている画像です。

参考リンクブログ記事に使える商用利用可無料画像の探し方はこの2つでOK