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Mt.Goxのビットコインは何故消えたのか?を分かりやすく。

      2015/08/03

 

さっそく本題に入りたいのですが、

「ビットコインは何だかよく分からん」

という人、仕組みについてよく分からない人は多いと思います。

 

そういう状態では何で消えたのかが分からないので、ホントに簡単にですがまずビットコインのことをご説明したいと思います。(図解もあるよ!)

 

 

ビットコインとは何かを簡単に

 

ビットコインには公開鍵暗号やブロックチェーンといったさまざまな仕組みが使われているのですが、今回はこの詳細な説明は省略。

これからけっこう雑な言い方をするので専門家の方から怒られてしまいそうですが、分かりやすくするためにあえてざっくりいきます。

 

ビットコインはその取引内容の全てがオープンとなっており、ビットコインネットワークの参加者全員で常に全取引内容を共有、照合し合う電子通貨です。

なので、例えば自分の残高を変えたりするなどの不正が起こった場合に他のみんなからの指摘を受けて即座に修正されます。

全てのネットワーク参加者は独立しているため、ビットコイン自体への不正はほぼ無理でしょう。

 

ビットコイン不正矢印

ビットコイン不正2

矢印

ビットコイン不正4

 

簡単に言えばこんな感じです。ブロックチェーンのことなどを説明すると多くの人が途中で投げ出しちゃうと思うので…ここではあえて説明しません。
(でも勤勉な人の参考のため詳細ページは後述しておきます。)

なぜビットコインが消えたのか?

 

ではそういった仕組みがあるにもかかわらず、何故Mt.Gox(マウントゴックス)のビットコインは消えたのか?

実はビットコイン自体は消えていないのです。不正操作もされていません。できないので。

ビットコインはさきほど説明したように残高を含む取引内容の偽造がほぼ不可能。

ではMt.Goxの事件が起こったのかというと…

架空のドルを発行し、顧客のビットコインを買っていたのです。

このビットコインと取引する際に使われるドルは端的に言えばMt.Gox企業内のデータベース内の数字というだけなので、Mt.Goxがやろうと思えば、たとえ口座に1ドルしかなくても1万ドルあると見せれます。

ビットコインはさきほどいった仕組みによりネットワーク全体でズレなく管理されているわけですが、ドルや円といった一般通貨には流通量や残高を照合する仕組みがありません。

口座にあるのが、1ドルなのか1万ドルなのかというのはある意味、各機関の自己申告なので。

つまり水増しされたのはビットコイン側ではなく、一般通貨の方だったのです。

実際にその水増しされたドルは存在しないわけですが、取引時点では実際の出金を求められることはないので取引自体は成立してしまうのです。

架空のドルで顧客の持つ本物のビットコインを買い、顧客にはMt.Goxのデータベース内だけで存在する架空のお金をつかませる。
(取引の中には顧客のドルそのものを流用した部分もあるようです)

得た本物のビットコインはMt.Goxのデータベースには履歴が残らないように、別のどこかに移し替える…。

これを図で表現すると下のような感じでしょうか。

ビットコイン取引

ビットコイン取引

ビットコイン取引

ビットコイン取引結果

つまりこの取引の場合、行っているのはデータのやり取りだけなのですがビットコインはデータの整合性が管理され、データそのものが価値のある通貨なのに対して、それと交換されるドル等の一般通貨は実体とは関係なくデータをいじることができ、またそのデータ自体には価値がありません。

このことが今回の事件の要因だと思います。ビットコインは消えたわけではなく、不正に作られたドルと交換されたのです。(で、本物のビットコインはMt.Goxを介さない直取引でどこかに移された…と。)

今回のデータベース(帳簿)の改ざんによる事件はビットコインでなくても起こることです。というよりしょっちゅう起こっています。ただ今回の事件でビットコイン取引所、仲介組織の信頼性が問題視されるようになりました。

こういったところが今後の課題でしょうかね。

冒頭でいったビットコインの参考ページBitcoinの仕組み