ヘリマネとは
2017/02/26
ヘリマネとはヘリコプターマネーの略称です。
ヘリコプター‐マネー(helicopter money)
あたかもヘリコプターから現金をばらまくように、中央銀行あるいは政府が、対価を取らずに大量の貨幣を市中に供給する政策。米国の経済学者フリードマンが著書「貨幣の悪戯」で用いた寓話に由来。中央銀行による国債の引き受けや政府紙幣の発行などがこれにあたる。ヘリコプタードロップ。
引用元:ヘリコプターマネー(ヘリコプターマネー)とは – コトバンク
NewsPicksの記事とかコメントでこの「ヘリマネ」という言葉をよく見かけたんですけど、よく分からない人もいると思ったので改めていろいろと調べてみました。
ヘリマネ(ヘリコプターマネー)と通常のばらまきの違い
ヘリコプターからばらまかれるような感じで使われるお金のことではあるんですが、よくニュースで聞くいわゆる「ばらまき」と呼ばれるものとは少し違います。混同しそうですけどね。
国が国民に対してお金をばらまく(給付する)ことには変わりないんですが、さきほどのコトバンクの引用にあるように対価を取らずにお金を市場に供給していることがその違いです。
つまり回収しない前提でお金をばらまくこと。当然これには政府と中央銀行が当然結託する必要があります。
ヘリコプターマネーの定義は少し曖昧ですが、要は「借金してばらまいているお金をそもそも返すつもりでばらまいているのかどうか」という点です。
ただこれは無担保対価無し生産活動無しでお金だけを無尽蔵にばらまく方法なので、物やサービスが増えずにお金だけが増えていくことになる。結果としてその国のお金の価値は下がります。
物が増えないのにお金だけは増える一方だからです。でもどの程度お金をばらまいたらどの程度お金の価値が下がるか(どれくらいインフレが起こるか)は非常に推測しづらい。というか誰にも分からないかもしれません。
ヘリマネ(ヘリコプターマネー)の具体例
「え?お金ばらいまいて回収しないなんてできるの?どうやってやるの?」と疑問に思う方も多いと思うので、ヘリマネには具体的にどういった方法があるのかの1例を簡単に紹介させていただきます。
ヘリ(政府)に中央銀行がお金を渡して、お金をばらまく(国民に給付)
政府が国債を発行する
→日銀(中央銀行)がお金を刷ってその国債を買う
→政府にお金が入る
→政府がそのお金を地域振興券や交付金等の形で還付する
この例では税収等の財源無しに無尽蔵にお金を直接国民にばらまくことができます。
いくらでも国債を発行できる政府といくらでもお金を刷ることができる日銀が結託することによって政府は構造上無限にお金を得ることが可能になるのです。
国債は国の借金ですからいずれ返さなくていけません。ですが通常の借金と違い、国債(永久債)の場合は取り立てる人はおらず返済期限も決まっていないので、いくらでも借金することができます。
この借金を返すつもりであれば別ですが、返すつもりがなければヘリコプターマネーです。
もちろん、こういったやり方はさっき説明したようにその国のお金の信用度に関わってきますしインフレの要因になりますから簡単にできるものではありません。
以上、ざっくりとした説明でしたがご参考になれば幸いです。