ドローンの侵入、空撮で逮捕者続出なのでいろいろ勉強してみた
2015/05/21
話題になった時期からちょっと遅れてるけど、ふと
「ドローンってそもそも空撮していいのかなぁ」
とか
「ドローンって何がすげーのかなぁ」
とか
「ドローンって法整備はどんな感じになってるのかなぁ」
と思い、いろいろ調べて考察してみたので、今日はそこらへんを記事にしていきます。
ドローンとは
ドローンとは無人航空機のことです。
無人航空機であればドローンと呼べるので、実はミリタリー系の映画でたまに出てくる巨大な航空機も無人ならばドローンになります。
つまり、人が乗ってなくて空を飛べるやつはドローン。
「あれ…これってラジコンもそうじゃね?」
と思ったそこのあなた、正解。
広義で言えばラジコンもドローンと言えちゃいます。
ただこの頃巷で話題なっている、あの空撮できたりするちっちゃいヘリみたいなヤツが最先端で注目されているため、今ドローンというと基本的にはこいつらのことを指します。
ちなみにさっき例に挙げた爆弾とか落とせる戦争とかで使っちゃいそうなドローンは普通のドローンは区別して「軍事用ドローン」と呼んでいるようです。
ドローンの何がすごいの?
「ふーん。で、何がすごいの?ラジコンと何が違うの?」
という声が聞こえてきたので、こいつらの何がすごいかをこれから簡単にご説明。
自動で飛行する
こう言われると当たり前のように思えますが、これまでのラジコン等は無人航空機ではあったものの人の手で操作をしていました。
つまり無人で飛んでたけど必ず人が介在する必要があったのです。
しかし今のドローンは搭載しているコンピューターの自動制御によって、自動で飛行したり規定の動作を行うことができます。
当然ながら手動でも操作可能で、スマホなんかからも操作できちゃいます。驚き。特殊な技能習得は必要なく、わりと簡単にスイスイ動かせるようです。
そして結構早い。
無人なのに物が運べる
これはAmazon Prime Airが有名ですね。
Amazonでポチったものをドローンが飛んできてすぐ届けてくれる。
なんと素晴らしいことでしょう。
このAmazonの例に限らず、ドローンにより配送の自動化、効率化が飛躍的に進むことが予想されます。
無人なのに空撮できる
これによって映画のコストのかかるヘリ空撮シーンや、戦場カメラマンが命の危険にさらされながら撮った写真もドローンがノーリスク超ローコストで撮影することが可能に。
(ちなみに市販されているものでも、標高4500mまで上昇可能で通信距離も2kmまでOK)
実際にドローンで世界のいろんな場所を撮影した映像があったのでご紹介。ぜひご覧あれ。
様々なドローン
こういったドローンの他にもFacebookやGoogleが世界中のあらゆる人(数十億人規模)にインターネット環境を提供するためにAquilaという超巨大ドローンを作ったりもしています。
特にFacebookが発表したAquilaという超巨大ドローンは太陽光を動力にして数ヶ月ずっと空をふよふよしているらしく、かなり未来。
ドローン関連の逮捕、事件
と、ドローンの素晴らしい面から一転、これはネガティブな面。
もはや新技術の登場において必ず出てくる問題ではありますけど、ドローンによるいろいろな騒ぎがこのところ多発しています。
首相官邸無人機落下事件
新聞各社で大きく報道され、ドローンが(悪い意味でも)一躍注目される要因になった事件。
余談ですが逮捕、事件があったのは4月の下旬。そして「ドローン」というキーワードの4月の検索数は前月比約10倍に伸びています。
善光寺ドローン落下、三社祭ドローン飛行事件
参考リンクhttp://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00292494.html
記憶に新しい事件ですね。報道ではモザイクがかけられていましたが、この方はニコニコ生放送では有名なノエルさんという人らしく、調べると本人がアップロードしている当時の動画が見つかります。
事件後も国会議事堂前等でドローンを飛ばそうとして厳重注意を受ける、といったことが続いているらしいです。
現在こういった事件を受けてドローンに対する規制、法整備の動きが強くなっているよう。
ドローンに関する法律
現在日本ではドローンは模型飛行機として扱われているため、
上空250メートル以上を飛行してはいけない
というのが原則のようですが、実際の利用に際してどうなのかを調べました。
外で侵入、飛行していいの?
これは結論から言えば☓です。
自分の私有地であれば問題ないのですが、他人の土地であれば(上空であっても)不法侵入。
公道であっても厳密には道路交通法に違反することになるでしょう。
まだ国内のドローンの絶対数が少なく、厳密な法整備もされていないのでお目こぼしをもらっているような状態です。
相手が捕まえる気であれば捕まってしまいます。
外で空撮していいの?
これは結論から言えば△。
飛行範囲はさきほど説明したように私有地以外はダメ。
ただ撮影は対象が公的施設であれば基本的には許されていますし、他人を撮影する場合は本人の許諾の有無によります。
ドローンはその特性上非常に広範囲にわたって撮影することが予想されるため、厳密に法律を守ろうとすれば大体の場合アウトになるでしょうが、ここは何とも言えません。
この問題に関して弁護士さん等の見解をいくつか調べましたが、黒よりのグレーのようで何とも言えない感じでした。
厳密に言えば現状では黒に近い、というところのようですね。
今後策定が予想される法律
今日2015/05/20の報道によれば、
重要施設(首相官邸や皇居等)とその周辺約300メートルの上空を飛行禁止とし、違反した場合は1年以下の懲役または50万円以下の罰金を科す
という法律を与党が策定しようとしているようで、取り急ぎテロ等が予想される場所では法的に取り締まれるように応急措置をとるようです。
ただドローンのような超小型で撮影、動作が可能な無人飛行機を気軽に飛ばせる状態というのをそもそもぼくらの社会が想定していないため、一般のドローンに適用される法律が整備されるにはまだ時間がかかりそうです。(そもそもドローン自体がまだどこまで発展するか分からないから決めるにも決められないかもね)
そういった意味ではドローンは非常に扱いの難しい、危険なものと言えるかもしれません。
ドローンの成長によって影響を受ける産業、業種
配送業者、運送業者
まぁ、佐○とかヤ○トとかですね。ここらへんは特に影響を受けると思います。
さきほどのAmazon Prime Airの例が本当にダイレクトに関わってくるのでイメージしやすいと思います。
あのドローンが家の前までブーンと飛んできてポトッと渡してくれるのであれば、もはや最も高いコストである人件費の制約を受ける既存の配送業者、運送業者ではコスト面で太刀打ちできないことは明白。
もちろんドローンによる空輸にどれくらいのコストが実際かかるのかはまだ図りかねるところではあるので何とも言えませんが(実際ドローン狩りと呼ばれるドローンに対する襲撃で移動中のドローンが破壊される事件が報告されていますし、動物や天災による被害も図りかねる部分です)、真っ先に影響を受けることは間違いないでしょう。
戦場カメラマン、報道カメラマン、映画カメラマン
ここには写真家等は含みません。要は特殊な環境から撮影することに特化したカメラマンが特に影響を及ぼされるということです。
美人モデルの素晴らしい表情をより引き出すという技術ではドローンは三流かもしれませんが、どの場所でも平気で撮影することができます。
現にドローンでの戦地撮影や映画撮影等はもう行われているようです。
警備業界
「 いや監視カメラでいいんじゃない?」
となりそうですが、実はドローンであれば侵入者を追尾できたり、より対象者の情報(顔や身長、体格等)を得るために移動できたりと警備、防犯能力がグッと上がるのです。
セコムは既にドローンを利用したこういったシステムを導入を決定しているらしく、近日公開するもよう。
その他にも農業関連や建設関係など例はいろいろあるのですが、キリがないのでダイレクトに影響を受けそうだなーと思う業種のみを挙げました。
以上、本日のドローン勉強でした。