ぼくらの勉強

ぼくらのための勉強をしていきます。

中二病と服

      2017/10/10

小学校の高学年のころだったろうか。

ぼくが自分で初めて買った服がいまでも実家に残っている。

今はもう日本から絶滅してしまった、あのファー付きのジャケットが。

10才くらいで早くも発症し未だに回復の兆しが見えないぼくの中二病だが、思えばこれが象徴だったのかもしれない。

当時、このファーが死ぬほどかっこよく見えた。

ことの始まりはゲームである。

その日親から中古で買ってもらったファイナルファンタジー8のDiscをプレステにセットすると、26インチ液晶テレビの中でスコール・レオンハートという中二病の宝石箱やーみたいなやつが一生ドヤ顔しながらファージャケット一張羅でイケメンしていた。

世間の洗礼をまだ受けていない純粋無垢なぼくにはもうそれがたまらなかった。控えめに言って最&高だった。彼の首に巻かれているそのファーは美のステイグマであり、かっけぇを極めた者の頭上にのみ燦然と輝く天輪だった。

それまで母親が買ってきたものを全自動で着るマシーンだったぼくは、初めて自分の意思で服を購入。それも半年にゲーム1本買ったら残高が0になるレベルの自分の小遣いで買ったのだから、今思い返してみてもそうとう熱い思いがあったんだと思う。

そこから先のエピソードはさらに微笑ましい。

室内なのにファー付きのジャケットを身に纏い、英語なんかI have a penすら理解できていないのにアヴリル・ラヴィーンのCDをジャケ買いして部屋に飾り、MDコンポから流れるLose Yourselfのリズムにのってチェケチェケするぼくはもう最高に自己陶酔していた。

 

しかし幸か不幸かそれも長くは続かない。

中学に入ったばかりのころは全然気にならなかったが、受験を控えてそろそろ……みたいな時期になると「あれ?なんかこれ……ダサくね?」みたいな雰囲気を感じるようになる。

中二病精神と同じくらい周りの目が気になる精神を育んでいたぼくは秒で背信。高校デビューをするころには天輪だったはずのファージャケットをおばあちゃんのタンスへ追いやり、その頃流行っていた裏原系的なもので着飾ってウェイウェイするようになった。

中二病患者の典型的な症例(成長過程)である。

 

 

 

そういえば最近服にときめくということがなくなってしまったような気がする。

服にやたらと金をかけるファッショナブルな友達と話してるときには

「あぁマルジェラ?うん、いいよね。おれも好き」

と相槌をうつけど、世間の目というしがらみを捨て去り心のパトスに正直に向き合えば、本音は違う。

それ絶対周りの人には見えないよね?っていう数字タグだけで値段の8割を占めてる気がするそんなTシャツよりあのファージャケットの方がかっこいい。絶対かっこいい。いまだにそう思う。

最近シーズン7が放送されたばかりのゲーム・オブ・スローンズをシーズン1から見返し、スターク家の面々を見る度、ぼくはその確信を深めるのだった。

まぁ着ないんだけども