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スコットランド独立の理由を考える

   

イギリスのEU残留か離脱を問う国民投票の結果、残留48.1%賛成51.9%でEU離脱派が勝利し今絶賛タイムラインを賑わせています。

そんななかイギリス構成国の一つであるスコットランド首相がEU残留の意志を伝え、実質上の独立宣言を行いました。

英紙ガーディアンによると、スコットランドのスタージョン行政府首相は24日、同地域の投票では欧州連合(EU)残留が多数を占めたことを受け、「スコットランドの人びとはEUの一部で有り続ける意思を明確に示した」と述べ、EUに残留するため英国からの独立を求める意向を示唆した。

引用元:http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM24H44_U6A620C1000000/

実はスコットランドはもともとことあるごとにイギリスからの独立を叫んでいた国。イングランドへの強い対抗意識とかはWikiにも載るくらい有名な話です。特にサッカーとか見ているとすごいですよね。いろいろと。

※ちなみに今回のEU離脱派勝利にはスコットランド地域の投票率が低かった影響があると言われています。

その独立志向の強さから2年前の2014年にはイギリスからの独立を問う住民投票とかも行われてました。(その時は独立賛成44.7%、独立反対55.3%で独立否決)

参考リンクScottish independence referendum – Results – BBC News

そして今回の投票結果ではスコットランドはイギリス全体とは逆のEU残留派。

こういうふうにイギリスと意見が違うから首相も国民の意見を汲んで独立を示唆したというのもあると思います。

ですが「今回の投票結果が国の意見と違うから……」というのは建前……というか本音全部というわけではないでしょう。

そもそもスコットランドはEU残留派が62%でそこまで残留派一色というわけでもなさそうですし、2年前に独立運動があったときは当時の欧州委員会委員長から「独立してもEU加盟は無理だよやめとけ極めて難しいだろう」って言われているのでこの投票結果だけをもって独立を叫ぶなんでことは考えにくい。

スコットランドはもともとイギリスから独立したい理由がありますからね。

ちなみにその理由でよく言われるのは主に以下の3つ。

1つ目はさっき言ったようなイングランド等の近隣諸国と対抗してきた歴史的背景。

2つ目は2014年の独立投票の時も争点になった欧州トップの埋蔵量を誇る北海油田の利権問題。(この巨大油田の主要海域はスコットランドの海域内にありますが、その利益の多くイギリスにとられています)

3つ目はイギリス行政への不満。(今回のEU残留離脱のような意見の違いの他に思想的な違いが多くあるにも関わらず、全体における人口比率の低さから自分たちの意見が反映されにくいこと等)

こういったものが積み重なって今回の投票で……という感じではないでしょうか。(デメリットもありますが、油田利権のメリットが大きいですし)

 

米国大統領選も控えてますし、ここ最近世界情勢が目まぐるしく変わっていきますね。

さっきなんかイギリスのキャメロン首相が辞任表明したって速報も流れてきたし……これからどうなるんだろうなぁ。