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車のバッテリー充電で異臭(腐卵臭,硫黄臭)を出すガスの有害性と対策

      2016/10/07

車のバッテリー充電

事の発端と原因

いや今日ね、実家によったんですよ。で車庫に入って車から出た瞬間にものすごい臭い。硫黄臭というか腐卵臭というかそんな感じの異臭がしました。

「え、なにこれ。絶対普通じゃない。何かしたの?」

と思って車庫のなかを見渡しても特にいつもと違ったものは見当たらない。そもそも車庫になんてタイヤと工具くらいしか置いてない。

……と思ってたんですが、いつもなら置いてないものがそこにありました。

「充電中のバッテリー」です。こいつが原因でした。

どうやら親が自分で車からバッテリーを外してバッテリーチャージャーにつないで充電していたみたいなんです………昨日の夜から。ええ。そうです。まさかの24時間充電しっぱなしです。

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異臭の正体

結論から言うと、この異臭の正体は「硫化水素ガス」です。
劣化バッテリー又は不良バッテリーを充電している時に発生します。(実は問題がない普通のバッテリーでも充電中は「水素ガス」が発生しているのですが、こちらはほぼ無臭)

※ちなみに知恵袋などで亜硫酸ガスだという説明も多々見受けられますが、これは間違いです。亜硫酸ガスが含まれるのは車の排気ガスであり、バッテリーの充電時に発生することは基本的にありません。両方とも自動車から発生するガスで名前も似たような印象なので混同されて広まったものと思われます。

人体に与える影響、有害性

硫化水素ガスというと青酸カリ並に危険なものだとすごく不安に感じてしまうかもしれませんが、基本的にこのガス単体で重篤症状になることは稀です。※後で紹介する二次被害の方が危険

というかみなさん嗅いだ瞬間に「これってどこかで嗅いだことがある………温泉?……硫黄?」とか思いませんでしたか?

そうなんです。温泉のあの硫黄臭さというのはそのまま硫化水素の臭さなんです。つまりこの臭いがする温泉に入っている時はみなさん温泉から発生している硫化水素を吸い込んでいるわけですね。

もちろん温泉レベルの濃度でもずっとそこにいると気分が悪くなったり、目や喉が痛くなったりすることがあるので油断は禁物ですが、温泉を思い出せばあの臭さ(濃度)であれくらいの影響なんだということはイメージできるのではないでしょうか。

ただとても狭い空間で密閉され高濃度になっていた場合は重篤な状態になる可能性もあるので、くれぐれもご注意ください。(命にかかるわるほどの高濃度であれば、臭いに気づいた後にできることはほぼないのですが)

参考までに硫化水素の濃度別作用、症状の表を載せておきます。

濃度(単位:ppm) 作用
1,000 – 2,000 (0.1 – 0.2 %) ほぼ即死
600 約1時間で致命的中毒
200 – 300 約1時間で急性中毒
100 – 200 症状:嗅覚麻痺
50 – 100 症状:気道刺激、結膜炎
5 日本産業衛生学会における許容濃度
1 労働安全衛生法における作業環境管理濃度
0.41 不快臭
0.02 – 0.2 悪臭防止法に基づく大気濃度規制値
0.00041 臭いの閾値

引用元:硫化水素 – Wikipedia

ちなみに水素ガスの有毒性は硫化水素ガスより低いです。

 

対策

※これ以降の対策は腐卵臭のする硫化水素ガス、ほぼ無臭の水素ガスどちらでも必要な対応になります。つまり異臭の有無に関わらず、車のバッテリー充電中は必ずしなければいけないことです。

換気

まず換気です。換気をしてください。できるだけ早急にガスを外へ逃しましょう。

事情があって扉や窓の開閉などの換気作業に時間がかかり、ガスが充満している場に長くいなければいけないときは濡れマスクやゴーグルを着けるなどして、なるべくガスを体内に取り込まないようにしましょう。

火気厳禁

発生している硫化水素ガスor水素ガスは引火性の高いガスです。爆発の危険性があります。作業中決して忘れないでください。

そのバッテリー内部にある電解液は「硫酸」です。硫化水素ガスの有毒性、危険性についてはさきほど紹介した通りなのですがこの硫酸は非常に危険です。爆発して中の硫酸が飛び散れば失明したり火傷を負います。

充電器のクリップを外す手順に注意

充電クリップの形状がワニ口でも円型でも、電気が通ってる状態では外す際にショートして火花を出すことがあります。

ですので、ガスが発生していて早く止めたい気持ちはわかりますが慌ててクリップを外さないでください。危険です。

止める場合はクリップはそのままで充電器の電源をOFFにしましょう。充電器の電源OFFより先に充電器のコンセントを抜くのもよくありません(技術者用の資料でもたまに誤って紹介されています)。クリップを先に外した場合と同様に火花が発生する可能性があります。

正しくは

充電器の電源OFF→コンセントを抜く→プラグを外す

の順です。

バッテリー充電順番

静電気に注意

特に乾燥しやすい冬場は要注意です。たとえプラグを外す手順に問題がなかったとしても、自分の手でさわったときに静電気で火花をおこしてしまったら元も子もありません。普段ならスパークも何も見えないような小さな静電気でもこの場合「(バチッ)痛いなぁ」では済みません。

ゴム手袋をするか、別の場所にある金属や壁にふれて静電気を逃しましょう。

車の移動に注意

車自体がいろいろと引火の原因になりえるので今回のぼくのケースのように車庫に車がある場合などはすぐに動かしたくなるところですが、これはNG。

ガスがまだある状態で車のエンジンをつけるというのはおすすめできません。移動するのは換気をしてたまったガスを外に逃がしてから安全になってから。つまり全部終わった後です。

 

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予防

今回のトラブルは臭いが強烈なこともありますし一度経験すればもう同じ轍は踏まないとは思いますが、今後のための予防チェックリストです。

車のバッテリーの充電は外か風通しの良い場所で行う

外であればたとえバッテリーを充電し続けたとしても、このガスは大した濃度にはなりません。

個々の事情もあると思うので絶対に屋外じゃないとダメとは言いませんが、屋内だったとしても風通しは良くする必要があります。

火気はなるべく避ける

バッテリー充電中の爆発事故でよくあるのがタバコによる引火です。

繰り返しになりますが、異臭がしてもしていなくても車のバッテリー充電中というのは可燃性ガスが発生しています。車の扱いに慣れている人ほど部屋の中でバッテリーを持ち込んで充電、リラックスタイムも兼ねて一服しながら作業……みたいな感じになりがちですが、こういった習慣はつけないようにしましょう。

バッテリーの液口栓を可能な限り取り外す

これにより水素ガスの出口が増え、一箇所のガス濃度が下がります。

全部外せるなら全部外しちゃいましょう。(もちろん充電が終わったら戻してくださいね)

充電はその日のうちに終わるように

バッテリーの完全な充電には10時間程度かかります。非常に長いのでどうしても放置することに。

ただ夜にセットしてしまうと充電していたことを忘れて1日、2日経っちゃってたなんてことになりがちですし、異変にも気づきにくいです。

ですので朝セット→夜チェック、といった流れがおすすめです。

バッテリーが悪くなってきたら交換する

今回充電時に悪臭を放つ硫化水素ガスが発生した原因はバッテリーの劣化です。1回でもこの臭いが出たならもう寿命。消す術はありません。

この問題以外にもバッテリーが悪くなると車自体に悪影響なので、この腐卵臭がしたら素直に交換することをおすすめします。そこまで高いものでもありませんし。

パナソニックのカオスとかがたぶん1番コスパが良いと思います。(ぼくの車もこれです)

某カー用品店で8000円出してつけてもらうしょぼいバッテリーよりずっと安いですし、性能もずっと良いです。

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