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マイナンバー制度導入について簡単に、分かりやすく

      2015/12/29

マイナンバー

マイナンバー制度。

いろいろとまとめも見ましたが、ちょっと分かりにくいなぁと思ったので、自分でまとめてみました。
手前味噌ですが分かりやすい記事になっていると思います。

 

マイナンバーとは

 

マイナンバー(個人番号)とは
文字通り一個人にそれぞれ割り当てられる番号のことで、この番号には住所、納税記録、通院経歴、口座情報等のあらゆる社会的な情報が紐付けられています。

つまりこのマイナンバーによって、
一つの番号で個人の社会的情報を一元管理しよう!
というわけです。

今まではどうなっていたかというと、国の機関や市役所等がそれぞれバラバラに個人の情報を持っていました。

つまり、こんな状態です。

やりとり1

やりとり2

やりとり3
こんな感じで問い合わせがある度に名前と住所等をつきあわせて調べていました。
脱税等の調査もそれはそれは面倒なことになります。

こういったバラバラの情報が全て統合され、一つの共通番号で管理できるとなれば非常に効率的になります。

やりとり4

 

このマイナンバーの仕組みが導入されるきっかけとなったのは3.11、東日本大震災。
多くの被災者が自分の身一つで他は何もない、保険証もパスポートも印鑑も通帳もない、という状態におちいってしまい、銀行でお金をおろそうとしても

「自分の預金をおろしたい?あなたは誰ですか?証明するものは何かありますか?」

と言われて立ち往生するような事態になったこと等が要因だそうです。

 

やりとり5

 

想像してみればこれがいかに壊滅的な状態か分かると思います。こうなったらホントどうしようもないですよね。

こういったことを鑑みて、政府はこのマイナンバーというものを設けることにしました。
(個人的には東日本大震災のような事案にこの仕組みだけで対応するには不十分だと思っています…が、その話はちょっと脱線するのでまた別の機会に。)

ちなみにマイナンバー関連のデータは各施設だけで保管するわけではなくネットワークを通じてシステムに保管されます。

 

マイナンバー導入によって変わること

行政機関の負担が減る

「なーんだ。私には関係ないのか。」
となりそうですが、実はそうでもありません。

昨今いろんなところで取り上げられていますが、公的機関の運営コストというのはぼくらの税金から出ています。

ですのでこれはそのまま、
行政の負担が下がる→行政のコストが下がる→税金が下がる
ということを意味します。

だから実は国民全員の負担に繋がっているのです。いいことだね。

個人の所得がより正確にわかるので脱税等を発見しやすくなる

完全に、というわけではありませんが全ての口座情報は個人と完全に紐付けられていますので、口座に入出金されるお金の流れは理論上全て把握されることになります。

口座に流れてこない現金の流れはさすが追いきれませんが、それでも税務上の不正をより発見しやすくなることでしょう。
これもいいこと。

 

マイナンバーはいつから始まるの?

マイナンバーの番号通知は今年2015年の10月から、
マイナンバー制度の実際の施行は来年2016年1月からを予定しているようです。

ちなみに申請すると個人番号カードというのがもらえて、身分証明や各種機関での申請に際に使用できるそうです。
※カード自体には氏名と住所、個人番号の記載があるようです。

マイナンバーの現状

ただ知り合いの関係者から聞いている限りは、現在マイナンバー導入に向けて国から十分な枠組みが決定されているとは言えないらしく、本格的な枠組みはこれから組んでいくようです。

 

マイナンバー対策、対応って何すればいいの?(個人向け)

準備するものというのは現状何もありません。

ただこれまで書いた概要を忘れず、
自分の社会的情報はこの1つの番号で管理されるんだということを覚えておいてください。

マイナンバーに関する情報を見る

マイナンバー導入後はマイポータルというサイトから、マイナンバーに紐付いている自分の情報を照会することができるようになるそうです。

また予定では
「誰が、いつ、どんな理由で自分の情報を照会したのかの履歴」
もこのサイトでチェックできるようになるようです。

 

マイナンバー対策、対応って何すればいいの?(事業者向け)

 

事業者の場合はこのマイナンバー導入以降、
従業員のマイナンバーを確認、管理し法定調書等に記載しなくてはいけません。

端的に言えば、
マイナンバーを厳重に管理して、マイナンバーの記入が求められた書類には番号を記載する
といったことです。
※ちなみにマイナンバー自体も個人番号、法人番号という形で個人と法人それぞれに割り当てられます。

 

これは個人とは違い、給与システム等の変更をしなくてはならずちょっとめんどくさい感じとなっています。
ですが、今のところ具体的な枠組みが決まっていないため2015/05/23現在は具体的な保管方法等を決めるのは難しい…。

会計ソフト各社からやたら営業の電話がきていると思いますが、現行の会計ソフトで対応できないのかどうかがまだ不透明なのでそこまで焦る必要はないと個人的には思います。

具体的な枠組みが決まったら適宜対応しましょう。

 

マイナンバー導入によるリスク

 

これはマイナンバーに限らず言えることですが、これまで雑多だった情報を一つにまとめるということは利便性を大いに高めますが、それは同時に、犯罪者側はその番号さえ詐称、偽造、盗用できれば多くの情報を得ることができる、ということを指します。つまり被害の幅が広くなってしまうのです。

というように一長一短ありますが、もちろんそのためのセーフティーネットも整備されるでしょうし、こういった国民総背番号制の類は先進国は導入しているところが多く、よほど間違った施策は行われないとは思います。

こういった利便性とリスクを天秤にかけて導入されたはずですから、全体としてはプラスになるものと思われます。
もし「一個人のプライバシーやリスクなどしったことではない!政府が把握しやすくなるからいいんだ!」的な考えだったら悲しいですが。

 

ちなみにさきほどいったようなマイナンバーの不正取得があった場合は「3年以下の懲役、または150万円以下の罰金」という罰則も作るようです。