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マイナンバー制度の前例と対策を考察してみる

      2015/12/29

マイナンバー国別比較

 

マイナンバー通知カードの返送や誤送が相次いでいるようでけっこうニュースになっていますが、ぼくのところにはまだ届いていません。忘れられてないよね。

今回は「マイナンバーみたいなヤツの前例ってどんなのあるんだろー 何を対策したらいいんだろー」みたいな話。あとその前例の現状とか比較も簡単に。

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国民総背番号制

今の取りざたされているマイナンバー(個人番号)のように、国民一人一人に番号を当てて管理する制度は通称「国民総背番号制」と呼ばれています。

 

国民個々に重複しない番号を付与し、それぞれの個人情報をこれに帰属させることで国民全体の個人情報管理の効率化を図ろうとするものである。氏名、登録出生地、住所、性別、生年月日を中心的な情報とし、その他の管理対象となる個人情報としては、社会保障制度納付、納税、各種免許、犯罪前科、金融口座、親族関係などがあげられる。多くの情報を本制度によって管理すればそれだけ行政遂行コストが下がり、国民にとっても自己の情報を確認や訂正がしやすいメリットがある。
一方、国民の基本的人権が制限されたり、行政機関による違法な監視、官僚や関係者(非正規雇用職員)の窃用や、不法に情報を入手した者による情報流出の可能性があること、公平の名のもとに国民の資産を把握し膨れ上がった政府債務の解消のために預金封鎖を容易にすることを懸念する意見がある。
タイプとしては、以下のものがある。
・社会保険制度給付と保険料納付の状況を管理するために番号を付与するタイプ(社会保障カード)
・住民登録に基づいてすべての国民に番号を付与するタイプ
・納税管理を目的に税務当局がこれを利用するタイプ(納税者番号制度、グリーンカード)
一部の国では上記によって付与した番号を軸にその他の個人情報を管理している。

引用元:国民総背番号制 – Wikipedia

 

マイナンバー制度、世界各国の前例

アメリカの社会保障番号、韓国の住民登録番号、中国の公民身分番号、エストニアの国民ID、インドの国民ID……etc. 実はこの「国民背番号制」、すでに多くの国で導入されています。歴史もまぁまぁあります。最初から今みたいな枠組みではなかったにしろアメリカなんかは1936年から導入してますし。

ではまず今挙げた5ヶ国の現状をご紹介しましょう。

アメリカ。社会保障番号の現状

アメリカ合衆国

さきほど1936年から実施されていたと紹介しましたが、最初その対象者は25万人程度。でもそれから徐々に対象を広げていき今では全市民が対象になっています。(外国人就労者も含む)

運用実績が長いため国の制度としてすでに馴染んでおり、その制度運用の枠組み自体は今日本で計画されているものとあまり差がないため今後の参考としてうってつけですね。

で、今危惧されているような情報漏洩による被害……「自分の番号を盗用されて個人情報が漏れた」「自分になりすまして誰かが勝手にお金借りてた」というものがあるかどうかですが……普通に発生しています。さすがに頻発というわけではないですが、長い国民背番号制の歴史をもつアメリカですらいまだにこの制度問題視する声は消えないようです。

 

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韓国。住民登録番号の現状

韓国

隣国の韓国でもこの制度は採用されています。1962年から開始されたこの制度は運用体系も日本やアメリカとだいぶ違いますが、中でも特殊なのがインターネットで利用する様々なサイトが利用加入の際にこの番号の入力を求めることです。つまり匿名でのインターネット利用がほぼできないという感じでしょうか。韓国に限らずどんな国でも実際完全に匿名性を保ったままでインターネットを利用できるかといったらかなり難しいものがあるとは思いますが、これは政府や特定の企業とかではなくほとんどの企業が利用者の素性を把握できるので、けっこう反発の声はあるようです。

ここでも番号の盗用(例えばサイト利用時の番号提示の際に別人の番号を使うなりすまし等)はあとを絶たないようです。ネット利用の際には自分の身分を求められて息苦しいし、でも番号の盗用で濡れ衣をかけられたり……というのは困りものですね。

中国。公民身分番号の現状

中国

今度は中国。これは対象者も利用範囲もこれまで紹介したアメリカや韓国と比べると少し狭めです。事実上の戸籍番号のような感じになっています。

利用範囲はWikipediaによると、納税や銀行口座開設の他に移動(高速鉄道の切符の購入等)の際にも求められるようです。(国民の定住所の管理ということにも利用されているもよう。※登録住所から離れた場所に長期間滞在する場合は戸口登記を変更しなければいけない)

戸籍のない人も多い中国の場合は、社会的な活動をする際の身分証としての意味合いも強いようですね。

エストニア。国民IDの現状

エストニア

次にエストニア。ここの国民IDは今日本でもかなり注目されています。国民背番号制の最先端と言ってもいいでしょう。

15才から配布される1つの国民IDカードで身分証明、運転免許証、電車やバスの定期券、納税確認、受給確認、口座開設、ネット選挙での本人確認とさまざまなことができます。

特徴的なのがICチップを埋め込んだ電子式IDカードだということです。そして何よりもすごいのが普及率。全人口の80%以上をすでにカバーしておりこの数字は電子式IDカードでは世界一だそうです。(Wiredいわく)

また「いつ、どのような用途でIDを利用したのか、誰がIDの情報参照したのか」というログを記録してあって、それを個人が政府サイトを通して確認することができます。このサイトを利用して自分のログをチェックするような習慣がついていることがこの国の国民背番号制が上手くいっていると言われる要因なのかもしれません。盗用による被害がないわけではないようですが、こうしてクレジットカードの明細をチェックするように自分の履歴をチェックしていれば、不正利用が分かりますからね。(申請すればすぐにカードの利用停止、再配布ができます)

不正利用を完全に防ぐということではなく、不正利用された場合の被害を少なくするような感じでしょうか。

インド。国民IDの現状

インド

最後にインド。実はここ、生体認証があります。驚き。指紋データ目の光彩データを提出が義務づけられるそうです。利用の用途もこれまで挙げてきた社会保障関連のことはもちろん、公的機関の出退勤管理などにも利用されたり、犯罪者特定の顔認証システムにも使われているそうです。なんて未来。

維持コストは高いようですが、インド特有の同姓同名による問題や読み書きができない貧困層への対応などにも非常に役立っているようです。

ちなみに他の国ではナイジェリアとかも同じように生体認証をIDシステムの実装を進めているようです。こちらはまだ計画段階のようですが。

 

日本はどうしたらいいのかを考察してみる

日本

こうしてみると、ナイジェリアやインドのように生体認証を実装するか、エストニアのように定期的にチェックして自分で自分の個人情報を管理する形にするのがベターな気がします。

あ、個人認証の3つの方法(要素)、それぞれのメリット・デメリット、特徴を分かりやすくまとめた表があったのでここで紹介します。

個人認証の3つの方法と特徴

引用元:生体認証の原理と課題 2014年8月2日 先端数理科学B『情報セキュリティの数理』講義資料 産業技術総合研究所 セキュアシステム研究部門大木 哲史 著 第7項より

簡単ですけどすごく分かりやすい図ですね。もちろん深掘りしていけばもっといろいろあるんですけど、ざっくりとはこれで理解できるのはないでしょうか。

生体認証をするか、ICカードにするか……いずれにせよ今の枠組みでは不十分でしょう。というかICでも生体認証でもないのにコストけっこうかかってる感があるのは気のせいかなぁ。

コストを抑えるためとはいえハリボテのような制度を作ると管理側も利用者側もデメリットしかない状態になって効率が下がり、結局全体のコストも上がってしまいます。日本の場合は効率が悪いとはいえ保険証や免許証など身分保障になるものがすでにあったりして今現在いちおう機能しているわけですし。これから戸籍や居住場所の移動がカオスな感じになることもあまり考えられないので、そこまで焦らずしっかりした制度を作っていけばいんじゃないかぁとか個人的には思います。

余談ですが、ドイツやハンガリーとかではこの国民背番号制を導入しようとしたところ憲法違反との判決が出て中止になったそうです。

日本は今後どうなるかなぁ。

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