ぼくらの研究

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映画「トイレのピエタ」を見た感想

   

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やはりというべきか、野田洋次郎は演技がうまかった。

 

前置きまだ映画を見ていない人のために、この記事はストーリー上の具体的なネタバレはしないようにできるだけ頑張っております。

キャストに対する感想

野田さんは映画に出るんじゃないかと前から思ってました。むしろ峯田さんあたりがボーイズ・オン・ザ・ランに出たあたりで「これ次は野田さんじゃね?」とか思ってたんだけど、予想以上に彼は映画に出てくれませんでした。

これまでオファーがなかったということはないと思います。でも、ほら、野田さんだからさ、そういう迎合の仕方は好きじゃないと思うからさ。(完全なる独断と偏見と主観)

ただそうしてぼくの予想から数年後に野田さんに用意された役はぴったりなものでした。(松永大司監督がその役に野田さんを見たんだから当たり前と言えば当たり前なんだろうけど。)

ここに関してはあまり具体的な内容は言わないけど、とりあえず野田さんにぴったりの役柄でした。というか野田さん以外の役者さんもぴったり。杉咲花さんも野田さんに負けず劣らず役に合って魅力的だったし、市川紗椰さんも細かい演技が非常に上手いと思いました。リリー・フランキーもビデオカメラ撮影シーンでのアレは確かにキレイでした。1シーンくらいしか出ない佐藤健さんもいい感じ。あえて言うなら唯一ダサいシャツの方は微妙だったかな。

映画の感想、メッセージ

キャッチコピーの「最後の夏、世界にしがみつくように、恋をした。」は作品のメッセージとはちょっと違うんじゃないかなぁ…と思いました。野田さんもナタリーかどこかで言ってたようにこの映画は「生」についての映画だと思うので。

よく見かけるインパクト重視の演出方法はとられていないため大多数はそこまで感情を掻き立てられるものではないと思いますが、かといって冗長的に尺をとって情景を刷り込んでいくような感じでもなく、コンパクトに淡白に素朴に、でもふと生について考えさせられる映画でした。

見る前は「絶対クセの強い映画だ……中身も演出も絶対コアな人にしかウケないに違いない……」とか思ってましたけど、その予想は裏切られました。展開が早過ぎることもなく、遅いこともなく、リズムよく進んでいくバランスの良い映画でした。

 

そして最後のシーンを見た時に「これ……アパートのオーナーどうするんだろ……やっぱ次の入居者呼ぶ前に全面張替えかなぁ」と気になってしかたなかったぼくは浮世のノイズを溜めすぎているのかもしれない。