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滅菌、殺菌、消毒、除菌、抗菌の違いと勘違い

      2015/10/16

医療用品

「滅菌…殺菌…消毒…除菌…抗菌…日常で耳にするけど、これって一体何が違うの?どういうことなの?」

という人のための記事です。あと後半はこれに関するある勘違い…というか誤解について。

滅菌、殺菌、消毒、除菌、抗菌の違い

滅菌

滅菌(めっきん、英語: sterilization)とは、増殖性を持つあらゆる微生物(主に細菌類)を完全に殺滅又は除去する状態を実現するための作用・操作をいう[1][2]。滅菌に関する国際規格であるISO 11139においては、ある物について微生物が存在しない状態にする検証された工程であるとしている。

引用元:滅菌 – Wikipedia

簡単に言ってしまえば、「菌を完全に殺して無菌状態にする」ということ。

殺菌

殺菌(さっきん、sterilization)とは、病原性や有害性を有する糸状菌、細菌、ウイルスなどの微生物を死滅させる操作のことである。滅菌と違い、具体的な程度は定義されていない。電磁波、温度、圧力、薬理作用などを用いて細菌などの組織を破壊するか、生存が不可能な環境を生成することで行われる。病原体の除去(感染症の予防)、食品の鮮度保持、などが主な目的である。対象とする細菌などによっては効果が期待できない方法もある。人体や有益な生物への障害、高熱や腐食による装置の破損、食品の風味の変質などを引き起こすことがあるので、適切な方法を選択することが重要である。低温殺菌法のパスチャライゼーション(英語名、pasteurization)はルイ・パスツールからきている。

引用元:殺菌 – Wikipedia

簡単に言ってしまえば、「菌を殺す(どの程度かは決まっていない)」ということ。

消毒

消毒(しょうどく、disinfection)とは、広義では人体に有害な物質を除去または無害化することであり、広義の消毒には有害装置の中和(無毒化)なども含まれる。
狭義では病原微生物を殺すこと(殺菌など)、または病原微生物の能力を減退させ病原性をなくすことである。無菌にすることではない[1]。

引用元:消毒 – Wikipedia

簡単に言ってしまえば、「菌を無害化させる(方法は殺したり中和させたりいろいろ。どの程度かは決まっていない)」ということ。

除菌

除菌は、対象物から菌を除いて減らすことである。手を水で洗うことから、ろ過などにより菌を取り除くなど、様々な程度の範囲がある。対象や程度を含まない概念である。

引用元:殺菌 – Wikipedia 除菌項目

簡単に言ってしまえば、「菌を減らす(どの程度かは決まってない)」ということ。

抗菌

抗菌(Antimicrobial effect, Antiseptic, Antibacterial-)は、(細)菌の増殖を阻止することである。繁殖を阻止する対象や程度を含まない概念。経済産業省の定義では、対象を細菌のみとしている。そのためJIS規格の抗菌仕様製品では、かび、黒ずみ、ヌメリは効果の対象外とされている。JIS Z 2801

引用元:殺菌 – Wikipedia 抗菌項目

簡単に言ってしまえば、「菌の増殖を防ぐ」ということ。

 

まとめ

菌に対する処置の強弱の関係を表すと、

滅菌(最も強い)>>>殺菌≒消毒≒除菌>抗菌(最も弱い)

という感じになります。殺菌、消毒、除菌は方法に違いはあってもいずれも菌に対して処置の程度が決められていないのでこういった形にしました。※ただし殺菌に関しては医薬品、医薬部外品にのみ許可されている表現。

 

たまに見かける勘違い

最後にネット上で見かける勘違いについてちょっと言及したいと思います。

ファブリーズは危険、という説

ファブリーズを初めとした消臭用品、除菌用品が危険だという記事をあちこちで見ましたが、これは誇張というかミスリードだと思います。

この説でよく言われれる「除菌をしすぎると必要な細菌まで除去してしまって逆効果…肌にこんな化学的なものをふりかけたら…」なんていうのはごく自然な話。どんなものでも適量を超えたり、誤った使い方をすれば有害になります。それを言うなら、醤油も飲み過ぎたら死んでしまうから危険、塩だってとりすぎたらやばいから危険、包丁だって重傷を負ってしまうかもしれないから危険、ということになるのではないでしょうか。

除菌は適量であれば「普通は」環境を保ってくれるいいものになります。

もちろんその加減が非常に難しいものだったら、危険だというのは分かります。でも普通の環境で普通の体質で普通の使用であれば普通は良い方に働くものを、普通は起こらないほう方の一面だけをとりあげて危険だと断言するのはけっこうな視野狭窄でしょう。それかポジショントークか。

これらの物に限らず、一つの弊害もない物なんてまずありませんので、メリットと一緒にちゃんと考えて判断すべきだと思います。