ぼくらの研究

ぼくらのための研究をしていきます。

企業の声を無視して美肌についていろいろ調べてみた その1

      2016/01/18

いやー美容業界というのはやはりその市場規模からか、どうしても企業のポジショントークが多いものですよね。

そもそも原価率が他業種を比べて圧倒的に低く、代わりに広告費の割合が圧倒的に高い点を見ても特定の情報の信ぴょう性は低いように思えます。

ですので、今回は特定の企業等がスポンサードしているような研究結果は無視して、つまり企業の息がかかっていないと思われる研究結果を調べてみました。…分かりやすいように企業と言いましたが企業に限らず個人でやっている施術院等も含みます。要は自分達の利益のためにフィルターをかけてそうなところの情報は無視するということです。
(もちろん美容業界の裾の尾がだいぶ広いので、完全にかかっていないと言い切れません。ご理解を。)

ですので基本的には(特定の企業に影響されていない)医療関係者、(特定の企業に影響されていない)研究機関の情報のみを取り扱うことになります。

では、早速調べてみましょう。

記事タイトルにある通り、「美肌」について。何が本当にいいのか。何が改善になるのか。

 

表情筋トレーニングの効果は?

笑顔

表情筋。文字通り表情筋を作るために顔についている筋肉で、眼輪筋や口輪筋等があります。これを鍛えることによって皮膚がたるんできてもそれを持ち上げることができる、つまり「顔のシワ、たるみ予防になる」というのが主な表情筋トレーニングを推奨する人or組織の主張でした。

これが本当かどうかを調べました。

結果から言うと、これは間違っている可能性の方が高いと思われます。

確かに少し検索するだけで表情筋トレーニングについて紹介していたり、その効果を謳っているところは山ほど出てきます。ですがその99.9%は表情筋トレーニング自体が直接的もしくは間接的に自身の営利につながる人でした。

自分のかかりつけ医を含めた医療関係者の意見を聞くと「効果があるか分からない」が7割「逆効果」3割でした。(このためにわざわざムダに皮膚科に行ってムダにクリームとかもらってきたんだよ。えらいでしょ。褒めて。)

逆効果だと言う意見を要約すると、筋肉だけを鍛えたとしても肌のシワやたるみは改善せず、むしろ逆効果になってしまうこともあるとのこと。

もちろん表情筋トレーニング推進派の中でも皮膚を引っ張るような類いのトレーニングは表情筋トレーニングが流行りはじめたころから警告されていたのですが、その過度なひっぱりによるたるみは別としても皮膚の構造上表情筋を鍛えてもシワやたるみの改善に効果はないという意見ですね。

ちなみにNHKの「ためしてガッテン」という番組でもこの方法は逆効果になることが多いとして紹介されていました。これも逆効果側に一票。
※その他の民法と異なりNHKは番組閲覧者から直接料金をもらっているため、特定のスポンサーの意向に沿うように番組を作るということは基本的にはありません。(少なくても番組自体に対してスポンサーはついていない。)ですので今回の「フィルターがかかっていない、本当である可能性が高い情報を考察する」という主旨に合うと思い、採用しました。参考までにNHKが作っている番組内容PDFを以下に貼っておきます。ただ内容は番組の概要といった感じなので、動画が見れる方は動画を見ることをおすすめします。

参考リンクhttp://www9.nhk.or.jp/gatten/pdf/program/P20080402.pdf

 

そして今回の結論に至ったもう一つの理由としては、これだけ多く人や機関が大々的に喧伝しているわりにこの表情筋トレーニングの効果を肯定する医学的、統計的研究結果が無いことです。(もし見つけた場合は教えてください。すぐチェックし、場合によっては記事内容を修正します。もちろん美容に関係のある企業等の研究結果は除きます。恣意性があるので。)
情報の多さだけを見るとどうしても表情筋に効果有りのように思えてきますが、論理的な根拠が乏しいものはいくら並べても実際には何の意味もありませんので今のところはこの結論とさせていただきます。

 

紫外線は肌に悪い?

UVカット

「詳しい統計とかとるまでもなく、普通にサーファーとか日焼けしている人みんな肌ボロボロやんけ!」というごもっともな意見もありますが一応調べました。

 

結論は…ほぼ間違いなく肌に悪い、です。

2013年にL’Oreal Research and Innovation Centerから発表された研究結果では完全に肌に悪影響を及ぼしているとの結果になったそうです。以下に参考記事の引用をします。

30歳から78歳までの298名の女性を普段から日焼けしている人と、美白に努めている人のグループに分け、肌の状態を皮膚専門家が解析。さらに、1人1人の見た目の若さを他のボランティアの人に判断してもらいました。

その結果、紫外線に肌を多くさらしていたグループでは、肌の老化度が大きく、特に50歳を境にシワや肌のきめ細かさで著しい差が出ているということ。

さらに解析を進めた結果、肌のエイジングの80.3%は、太陽からのダメージが原因であることが明らかに。また、この紫外線によるダメージ度が2%上げるだけで、外見の見た目が3歳も老けることも分かりました。

参考リンクhttp://woman.mynavi.jp/article/131030-059/

参考リンクhttp://www.dailymail.co.uk/health/article-2467385/Suns-UV-rays-account-80-cent-skin-wrinkles-ageing.html

 

実は他に紫外線とカロチノイド(皮膚の大事な成分と思ってもらってOK)抗酸化に関する研究…的な有名な研究結果もあって、こちらはスタンフォード大学医学部皮膚医学部が発表していたのですごい信頼性だなぁと思ったのですが、どうやらその研究の出資元がとある美容関連会社だったのでこちらはノーカウント。

ただ紫外線が悪影響を及ぼさないという研究結果はぼくが調べた限りゼロでしたので、結論は…お伝えの通りです。

 

 

所感というか雑記

人間の顔というのは自然のままにして(というか自然だからこそ)絶妙のバランスで整っています。だからこそ恣意的なトレーニングによって特定の箇所の筋肉だけを鍛えるという行為はこのバランスを崩していくもの。整形をすると部分的にはキレイになってはいるものの、「なんか変」と感じてしまうのはこのバランスの崩れが関係しているのではとも思います。また、見る側の人間の顔の認識能力はスーパーコンピュータよりもずっと優秀ということもあるかもしれません。これについても研究が出されていますが、人間は「顔」に関して敏感なんですね。

ちなみに今回の記事タイトルの「その1」でお分かりの通り、第2弾も考えてます(一応)。